【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/31付)、ROSALÍA / eill / 박혜진 Park Hye Jin / betcover!!

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



ROSALÍA / TKN (feat. Travis Scott)

スペイン・バルセロナ出身のシンガーソングライター、ROSALÍA(ロザリア)。05/28(Thu)にリリースされた話題のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

スペインの伝統芸能・フラメンコをラテン・ポップにアップデートさせた2ndアルバム『El mal querer』(2018年)が、第62回グラミー賞(最優秀ラテン・ロック、アーバン、オルタナティヴ・アルバム賞)を受賞したことで、世界的なポップ・スターとして一躍注目を集めている、ROSALÍA(ロザリア)。

2019年にリリースした自身のシングル「Aute Cuture」「Milionària」に加えて、 J Balvin(J.バルヴィン)、El Guincho(エル・グインチョ)とのコラボ・シングル「Con Altura」や、Ozuna(オズナ)とのコラボ・シングル「Yo x Ti, Tu x Mi」のいずれもが、スペインのシングル・チャートで1位を獲得。また同年には、James Blake(ジェイムス・ブレイク)のアルバム『Assume Form』や、世界的テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のコンピレーション・アルバム『For the Throne: Music Inspired by the HBO Series』に参加したほか、Travis Scott(トラヴィス・スコット)率いるレーベル〈Cactus Jack〉によるコンピレーション・アルバム『JackBoys』の収録曲「Highest in the Room (Remix)」に、 Lil Baby(リル・ベイビー)とともにフィーチャーされるなど、メインストリームを中心にボーダレスな活躍が続いています。

そんななか前述した「Highest in the Room (Remix)」での共演以来、Travis Scott(トラヴィス・スコット)と2回目のコラボを果たした、本ニュー・シングル「TKN」。プロデューサーには、Sky Rompiendo(スカイ・ロンピエンド)、Tainy(タイニー)、El Guincho(エル・グインチョ)など、レゲトン・シーンのトップ・プロデューサーたちを迎えており、タイトル「TKN」は、人気アクションゲーム・シリーズ「鉄拳」の略称とされています。リリックMVでは、コラボする2人がギャングの夫婦役を演じており、シチリア・マフィアにおける「血の掟」(Omertà)やアルゼンチン出身の映画監督・Gaspar Noé(ギャスパー・ノエ)を引用しながら、Travis Scott(トラヴィス・スコット)にとって初となるスペイン語でのラップが披露されています。

そして現在3枚目のニュー・アルバム制作に取り組んでいることを明かしているほか、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)とのコラボレーションが完成に近づいていること、今年6月にリリースが予定されている、Arca(アルカ)のニュー・アルバム『KiCk i』への一部参加で大きな注目が集まっており、今後の活動とあわせてぜひチェックを。



eill / FAKE LOVE

東京都出身のシンガーソングライター、eill(エイル)。05/20(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年11月にリリースしたデビュー・アルバム『SPOTLIGHT』に次ぐ、およそ半年ぶりの新曲に。同年には、キャリア初となるワンマン・ツアー「BLUE ROSE 2019」を東名阪で開催したほか「LOCAL GREEN ROOM FESTIVAL」「りんご音楽祭2019」を含むイベントにも幅広く出演。また、韓国発のガールズグループ・EXID(イェクスアイディ)「Bad Girl For You」(2019年)や、NEWS「STAY WITH ME」(2020年)の作詞・作曲を手がけ、中国系オーストラリア人の人気YouTuber・Wengie(ウェンジー)のシングル「TALK TALK (Japanese Version)」にフィーチャーされたほか、m-floが再始動させている「loves」プロジェクトの第1弾シングル「tell me tell me」に、向井太一、Sik-Kとともに参加するなど、多くのコラボが続いていました。

本ニュー・シングル「FAKE LOVE」について、eill本人の「私を振ったあの人はきっと後悔する。失恋した、悲しみをパワーにかえて、強く堂々とした新しい私に。悔しいことがあった時や、なにかを成し遂げたい時など、感情が爆発する瞬間に寄り添いたい曲です!」というコメントから、失恋したひとへのエンパワーメント・ソングとなる1曲に。また共同プロデューサーとして、前作『SPOTLIGHT』の一部収録曲を作曲したミュージシャン・宮田’レフティ’リョウを迎えており、マスタリングには数々のヒット・ソングを手がけた世界的エンジニア・Randy Merrill(ランディ・メリル)が担当しています。

そしてリリース当日から、加藤秀仁(Hidehito Kato)が監督を務めたMVが公開されているほか、先日からMV撮影の舞台裏を収めたメイキングビデオも公開。さらに、MVのお気に入りYouTubeサムネイルを選ぶ投票企画がスタートしており、5種類のサムネイルから1番人気のものをファンからの投票で決定するとのこと(投票期限:06/04 23:59まで)。気になるリスナーは、あわせてチェックを。



박혜진 Park Hye Jin / Like this

韓国・ソウル出身、米ロサンゼルスを拠点に活動しているシンガー / ラッパー / DJ / プロデューサー、박혜진 Park Hye Jin(パク・へジン)。06/26(Fri)にリリースされる待望のニュー・EP『How can I』のリード・シングルが、チャートにランクインされました。

2018年の活動当初から、ソウル(梨泰院)の人気ベニュー「Pistil Dance Club」のレジデントDJや、オンライン・ラジオステーション「Seoul Community Radio」へのレギュラー出演で注目を集め、同年12月にレーベル〈clipp.art〉を通じてリリースしたデビュー・EP『IF U WANT IT』が大きな話題に。なかでも、ハウス、ヒップホップ、テクノ由来のアンダーグラウンドな4つ打ち、英語と韓国語を交えたボーカルが響き渡る収録曲「I DO N’T CARE」がボーダレスに聴かれ、2019年から、独ベルリンの「Berghain / Panorama Bar」や、イビサ島にある「DC10」などのナイトクラブ、香港で開催された「Sónar Hong Kong 2019」や、スペイン・バルセロナで毎年開催される「Primavera Sound」を筆頭に、欧米中心とした多くのイベントにDJ出演。また、英ロンドンにあるベニュー「The Cause」で開催されたオールナイトイベントで、Jamie xx(ジェイミー・エックス・エックス)と共演したほか、米ニューヨークを拠点とするプロデューサー / DJ、Baltra(バルトラ)のデビュー・アルバム『Ted』にも一部ボーカル参加するなど、多方面での活躍が続いています。

レーベル〈Ninja Tune〉を通じてリリース予定のニュー・EP『How can I』には、本リード・シングル「Like this」を含む全6曲が収録予定となっており、2019年に彼女が初めて旅したという、ヨーロッパ、北米、オーストラリアのトランジットの合間に多く制作されたとのこと。EPのリリースに際して「明日死ぬかどうかは誰にもわからないけど、もしそうなってもこれをリリースできたし、幸せに死ねる。今まで待っていてくれてありがとう。」とコメントを寄せており、およそ1年半ぶりに発表する自信作であることが伺えます。

そして先日から、本リード・シングル「Like this」のMVが公開されており、屋内外さまざまな場所にてスマートフォンで撮影された彼女のダンス・ムービーがスタイリッシュに展開。未聴のリスナーは、あわせてぜひチェックを。



betcover!! / Love and Destroy

東京都多摩地区出身のシンガーソングライター・ヤナセジロウによるソロ・プロジェクト、betcover!!。07/01(Wed)にリリースされる注目のニュー・アルバム『告白』からのリード・シングルが、チャートにランクインされました。

当時16歳で、2016年に開催されたコンテスト「RO69JACK」で優勝を飾ると、高校中退後の2017年末に1st EP『high school !! ep.』を、2018年には2nd EP『サンダーボルトチェンソー』をリリース。同年には、両A面シングル「海豚少年/ゆめみちゃった」を配信限定でリリースしたほか、サニーデイ・サービス『the SEA』の収録曲「熱帯低気圧 (betcover!! Remix)」や、Sawagi「Boogieman – betcover!! vocal mix」を手がけたことでも話題に。2019年3月に初の単独公演「襲来!ジャングルビート’19」を開催すると、同年7月にレーベル〈avex/cutting edge〉を通じて1stアルバム『中学生』をリリースし、それまでの活動の到達点となる作品として知られるように。さらに今年に入って、クリープハイプによるリミックス企画の一環として制作した「愛す (betcover!! Remix)」が各方面から評判を呼ぶなど、独自の活動が続いています。

今年7月にリリースされるニュー・アルバム『告白』について、4月から公開されているリード・シングル「NOBORU」を含む全10曲が収録予定となっており、悲しさや絶望をも愛と音楽で乗り越えようとする力強いアルバムになっている模様。なかでも本リード・シングル「Love and Destroy」は、現在ロンドンを拠点に活動しているプロデューサー・小袋成彬を迎えて制作しており、betcover!!オフィシャルアカウントのツイートでは「Love and Destroy そのまま愛と破壊ですが、愛にも破壊にも様々な思いと受け方があります。僕はこういう音楽や体験からそれぞれの意味を考察しています。」とコメントしています。

そして、リード・シングル「Love and Destroy」のリリースにあわせて、映像作家・吉岡美樹がアニメーションを手がけたMVならびに、制作にインスピレーションを与えた楽曲などがまとめられたプレイリスト「Love and Destroy inspo」が現在公開されています。あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/24付)、The 1975 / 藤井 風 / Moses Sumney / TAMTAM

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



The 1975 / Guys

英マンチェスターを拠点に活動しているロック・バンド、The 1975。05/22(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『Notes On A Conditional Form』(以後『NOACF』)の収録曲が、チャートにランクインされました。

2018年11月にリリースされた3rdアルバム『A Brief Inquiry Into Online Relationships』(以後『ABIIOR』)に次ぐ、およそ1年半ぶりの新作となった本ニュー・アルバム『NOACF』。フロントマン・Matty Healy(マシュー・ヒーリー)によれば、2017年から続くバンドの一時代を「Music For Cars」(2013年にリリースした同名EPのタイトルをセルフ引用)と称しており、前作『ABIIOR』と同時期にレコーディングされた、もう1つのニュー・アルバムとされています(前作『ABIIOR』のフォローアップではなく、あくまで「Music For Cars」という一時代を構成するアルバムの模様)。

2017年の時点では『Music For Cars』というタイトルでアルバム・リリースすることや、前身バンド「Drive Like I Do」名義のデビュー・アルバムを発表することも仄めかしていたなか、2018年7月当時のツイートで、2枚のニュー・アルバム(『ABIIOR』と『NOACF』)をロサンゼルスで制作していることをコメント。前者のリリース後もレコーディングを続け、今年にかけて合計8曲のリード・シングルをリリースしており、なかでもスウェーデン出身の環境活動家、グレタ・トゥーンベリのスピーチをフィーチャーした「The 1975」や、Marilyn Manson(マリリン・マンソン)へのオマージュとされる「People」などが話題に。インダストリアル・ロック、UKガラージ、アンビエント、フォーク、シューゲイズなど、多様な音楽性を持つリード・シングルによって『NOACF』の全貌への関心が高まるなか、2度のアルバム・リリース延期を経て、いよいよ公開されました。

本ニュー・アルバム『NOACF』のテーマについて、2018年時点のインタビューで、メンバー同士のルーツでもある「ハッパを吸いながら車(プジョー・206)を運転して、Burial(ブリアル)やUKガラージを流しながら、マクドナルドに向かってM25モータウェイをドライブする」というイギリスのナイトカルチャーからの影響を明かしており、Apple Musicのライナーノーツによれば「とことん自分を見つめ直した究極の自分中心のアルバム」(一部抜粋)であることをコメント。ゲストボーカルに、FKA twigs(FKAツイッグス)、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)、Cutty Ranks(カッティ・ランクス)などが参加しているほか、Matty Healy(マシュー・ヒーリー)の実父で俳優・Tim Healy(ティム・ヒーリー)が、約30年前(1989年~1990年)に書いたという原曲を再解釈した収録曲「Don’t Worry」では、2人のボーカルが全編に渡って展開されています。

収録曲ラスト「Guys」のリリック後半にある一節では、2013年に実現した初来日ライブのことを「これまでのなかで最高の出来事だった」と歌ったパートがあり、当時デビュー・アルバム『The 1975』がリリースされる1ヶ月前のタイミングのなか、欧米圏外で行なった初めてのライブでもあることから、現在でもバンド内で印象に残っていることが伺えます。さらに、今年2月から公開されている特設サイト「マインドシャワー」にて一部収録曲のステムデータやアートワークが配布されているほか、Apple Musicから『NOACF』の背景に迫る約13分のドキュメンタリー映像も公開されています。あわせてぜひチェックを。



藤井 風 / キリがないから

岡山県里庄町出身、東京を拠点に活動しているミュージシャン、藤井 風。05/20(Wed)にリリースされた話題のデビュー・アルバム『HELP EVER HURT NEVER』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2010年の元日からYouTubeにアップしていた数多くのピアノ・カバーや弾き語り動画などで大きな注目を集め、高校卒業後より音楽活動を本格化させていった、藤井 風。2019年から活動拠点を東京に移すと、当時オリジナル楽曲が1曲もリリースされていなかったにもかかわらず、初の東阪ワンマン・ライブが全公演ソールドアウトしたほか、同年11月に開催された「LINE CUBE SHIBUYA」でのワンマン ・ライブも即日完売を記録。後者のライブ翌日にはデビュー・シングルとして、誰しものなかに存在するハイヤーセルフを探すことを歌った「何なんw」を配信リリースし、ニューヨークで全編撮影されたMVも話題に。

その後、カバー曲を含む全4曲が収録された2枚のEP『何なんw』『もうええわ』をそれぞれ発表し、人生における全ての重荷の放棄を歌った「もうええわ」、やさしさへのラブソング優しさ」、過去や未来に執着せず今に集中することを表現した「キリがないから」などのリード・シングルをリリース。加えて、YouTubeをきっかけに世界各地で活躍している新人アーティストを紹介するキャンペーン「Artist On The Rise」に、Tones and I(トーンズ・アンド・アイ)、Maggie Rogers(マギー・ロジャース)、DaBaby(ダベイビー)などに続いて、日本人アーティストとして初めて選出されたこともアナウンスされました。

本デビュー・アルバム『HELP EVER HURT NEVER』は、これまでリリースした4曲のリード・シングルを筆頭に、全曲全詞を藤井が手がけたという全11曲が収録。サウンド・プロデュース / アレンジャーとして、2019年5月ごろからレーベル〈Tokyo Recordings〉に所属するプロデューサー・Yaffle(小島裕規)と共同制作を進めていたほか、大月文太(Gt)、小林修己(Ba)、勝矢匠(Wood Ba)、裕木レオン(Dr)、福岡 高次(Per)、小寺里奈(Strings)などが参加しており、全曲のミックスをエンジニア・小森雅仁が担当しています。

そして、05/30(Sat)27時からニッポン放送で「藤井 風のオールナイトニッポン0(ZERO)」が決定。これで3回目のパーソナリティを務めることになり、生放送内では「NAN-NAN SHOW@ANN」と題して本来ライブで披露するはずだった一部セットリストを演奏するほか、恒例となった「藤井 風オールナイトニッポンメドレー」「喫茶 Kaze」などに加えて、リスナーからの音楽に関する疑問に答えていく新コーナー「リモート音楽講座」が予定されている模様。気になるリスナーは、あわせてぜひチェックを。



Moses Sumney / Bless Me

米カリフォルニア州サンバーナーディーノ出身、英ノースカロライナ州アッシュビルを拠点に活動しているシンガーソングライター・Moses Sumney(モーゼス・サムニー)。05/15(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『græ』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にリリースされたデビュー・アルバム『Aromanticism』以来となる、およそ2年8ヶ月ぶりの新作に。同アルバムは、2017年のベスト・アルバムの1作品として世界中で絶賛されたのち、人気テレビシリーズ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」「親愛なる白人様」(Netflix)、「ウエストワールド」「インセキュア」(HBO)などのサウンドトラックとして一部収録曲が登場したことでも話題に。2018年には、2つのEP『Make Out in My Car: Chameleon Suite』『Black in Deep Red, 2014』をリリースしたほか、同年に行なった2度の来日ライブでは、キリスト品川教会グローリアチャペルでのソロ・セット、渋谷WWWでのバンド・セットともに圧巻のパフォーマンスを披露しました。

また同時期から英ノースカロライナ州アッシュビルに活動拠点を移し、多くの楽曲制作を続けるなか、2019年には、James Blake(ジェイムス・ブレイク)、Bon Iver(ボニー・ベア)、The Cinematic Orchestra(ザ・シネマティック・オーケストラ)などのアルバムに一部参加。そのあいだリード・シングル「Virile」「Polly」「Me in 20 Years」「Cut Me」「Bless Me」や、今年2月に先行配信された本ニュー・アルバム『græ』の前半12曲に多くの注目が集まるなか、今回いよいよ後半8曲を含めた全20曲の全貌が明らかとなりました(2枚組となった背景について、インタビューによればアルバムのトータルタイムが長くなってしまったことが理由とのこと)。

本ニュー・アルバム『græ』には、Daniel Lopatin(ダニエル・ロパティン)、James Blake(ジェイムス・ブレイク)、Thundercat(サンダーキャット)、FKJ、Matthew Otto(マット・オットー)、Brandon Coleman(ブランドン・コールマン)、Jamire Williams(ジャマイア・ウィリアムス)、Rob Moose(ロブ・ムース)などを含む多くのゲストが参加しており、アッシュビルの自宅で全作詞作曲を手がけたほか、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、モントリオールなどで他プロデューサーとのセッションを行なった模様。黒と白が混ざりあった「グレー」をコンセプトとするアルバム・タイトル『græ』について、自身を構成する多層的な要素を指しているほか、インディー・フォーク、ジャズ、クラシック、アート・ロック、ゴスペルなどの多様な音楽性が、壮大なグラデーションとなって描かれていることを感じさせます。未聴のリスナーはぜひチェックを。



TAMTAM / Summer Ghost

東京都を拠点に活動するフィール・グッドなバンド、TAMTAM。05/20(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『We Are the Sun!』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年6月にリリースされた『Modernluv』以来となる、およそ2年ぶりの新作に。2019年にはバンド初となるカナダ3都市4公演を巡るツアーを成功させたほか、その後に当時7年ぶり2度目となる『FUJI ROCK FESTIVAL』出演を果たすことに。またボーカルを務める、Kuro(Vo、Tp、Syn)のソロ活動が本格化し、自身のソロ・アルバム『JUST SAYING HI』をリリースし、ODOLA、TONAN、The SKAMOTTS、GOODMOODGOKU、などの楽曲にゲスト参加。今年4月にはキーボードを務めたともみんが脱退し、1年間サポートメンバーを担当した石垣陽菜がベースに正式加入することを発表しており、4人新体制となって初のアルバムとして先日いよいよリリースされました。

本ニュー・アルバム『We Are the Sun!』には、鎮座DOPENESSをフィーチャーしたリード・シングル「Worksong!」を含む全10曲が収録されており、サポートメンバーとして、ryo sugimoto(Key)、Yuta “Deeply” Fukai(Gt)、堀京太郎(Tp)に加えて、ともみん(Ba)も一部参加。ジャケット・アートワークは、前作『Modernluv』に続いてデザイナー・Yoshitaka Kawaidaが制作しており、新しいアーティスト写真はカメラマン・Cho Ongoが撮影しています。また先日から、アルバム未収録アレンジとして「Worksong!(Home Edition)」が公開されており、各メンバーが自宅でテレワーク収録したものを、高橋アフィが打ち込み / ミックス / マスタリング / 編集などを手がけたセッション動画となっています。

さらに、OTOTOY「Save Our Place」にて3ヶ月限定で配信されているコンピレーションアルバム『Life is CIRCUS』に、アルバム未収録曲「Quarantine Routine」が参加。アルバム・リリース当日からは、映像作家・TAKUYA KATSUMIが制作したMV「Beautiful Bad Dream(Home Edition)」も公開されており、本ニュー・アルバムとは異なるアレンジ(配信イベント「CROSSING CARNIVAL’20 -online edition-」出演に際して制作したもの)をぜひ聴き比べてみては。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/17付)、Charli XCX / 宇多田ヒカル / Hayley Williams / mei ehara

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Charli XCX / enemy

英エセックス州出身、米カリフォルニア州を拠点に活動しているポップ・アイコン、Charli XCX(チャーリー・エックス・シー・エックス)。05/15(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『how i’m feeling now』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2019年9月にリリースされた3rdアルバム『Charli』に次ぐ、およそ8ヶ月ぶりの新作となった本ニュー・アルバム。昨年11月の時点で、2020年に最低でもニュー・アルバムを2枚制作したい旨をツイートで明かしていたなか、今年4月に行なったファンとのZoom配信を通じて、新型コロナウィルスのパンデミックによる自己隔離期間を利用して、ニュー・アルバムの制作をゼロから取り組むことをアナウンス。手元にあるツールを用いて、全ての楽曲、アートワーク、ビデオなどを制作することを基本として、制作途中のデモ音源、アートワークのモチーフ写真、テキストの会話などを、ファンに向けてオンラインで共有し意見交換を交わしながら進めるという、プロジェクト全体をオープンにしたDIYプロセスが、当初から大きな話題となっていました。

本ニュー・アルバム『how i’m feeling now』は、リード・シングル「forever」「claws」「i final understand」「enemy」のほか、2017年のミックステープ『Pop 2』リリース・パーティーで披露していた未公開曲「​party 4 u」を含む、全11曲が収録。エグゼクティブ・プロデューサーとして、A. G. Cook(エー・ジー・クック)、BJ Burton(BJ・バートン)が加わっているほか、Dijon(ディジョン)、Palmistry(パーミストリー)、Danny L Harle(ダニー・L・ハール)、Dylan Brady(ディラン・ブレディ)などが参加しています。

なかでも、各リード・シングルのアートワークは、自身のSNSアカウントにアップした複数の写真をファンからのコメントで1枚に絞り込むと、それを基にデザインされた、さまざまなアーティストやデザイナーのクリエイティブ案から決定。さらに現在公開されているMV「forever」は、世界中のファンから送られてきた膨大なビデオクリップを1本にコラージュして完成させているほか、米ロサンゼルスを拠点とするフォトグラファー・Charlotte Rutherford(シャーロット・ラザフォード)がリモートでディレクションしたMV「claws」では、自宅のグリーンバックにさまざまなエフェクトを合成しながら、現在おなじ家で隔離期間を過ごしているというボーイフレンド、Huck Kwong(ハック・クウォン)と共演しています。

また先日には、100 gecs(ワン・ハンドレッド・ゲックス)が主催した、サンドボックス・ビデオゲーム「マインクラフト」内のバーチャル音楽フェス「Square Garden」に、ヘッドライナーとして出演したパフォーマンスも話題に。Cashmere Cat(カシミア・キャット)、Benny Blanco(ベニー・ブランコ)、Kero Kero Bonito(ケロ・ケロ・ボニト)なども出演しており、未聴のリスナーはあわせてぜひチェックを。



宇多田ヒカル / Time

ロンドンを拠点に活動しているシンガーソングライター、宇多田ヒカル。05/08(Fri)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年1月にリリースされたシングル『Face My Fears』以来となる、およそ1年4ヶ月ぶりの新作に。同年には、2018年に開催した当時12年ぶりの国内ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」のライブ映像が、フィジカルおよびNetflixをはじめとする各種配信サービスから発表。その後リリースされた、井上陽水のデビュー50周年を記念したアルバム『井上陽水トリビュート』に参加し「少年時代」をカバーしたほか、椎名林檎にとって初のオールタイム・ベストアルバム『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』の収録曲「浪漫と算盤 LDN ver.」に参加(アザー・バージョン「浪漫と算盤 TYO ver.」も公開)。さらに今年の正月に放送された、TBSテレビ系「マツコの知らない世界SP」に出演し、2010年ごろから写真に撮り続けているという「落とし物の世界」について語っていました。

本ニュー・シングル「Time」は、作詞作曲を宇多田、共同プロデューサーとして同じくロンドンを拠点に活動している、小袋成彬を迎えて制作した1曲。現在放送されている日本テレビ系ドラマ「美食探偵 明智五郎」の主題歌としてもオンエアされており、東村アキコによる同名原作を読んだうえで書き下ろしたとのこと。またリリースを記念して、本ニュー・シングルの特設歌詞サイトがオープンしており、宇多田ヒカル本人による英語詞が公開されているほか、歌詞のパートごとにリスナーが投稿した多くの感想が閲覧できるようになっています。

そして、宇多田ヒカルの公式インスタグラムアカウントから生配信する特別企画「自宅隔離中のヒカルパイセンに聞け!」が、5月限定で毎週日曜19時半~20時ごろに実施。さらに、05/29(Fri)には次なるニュー・シングル「誰にも言わない」の配信リリースが予定されています。あわせてぜひチェックを。



Hayley Williams / Pure Love

ロックバンド・Paramore(パラモア)のフロントマンとして知られるシンガーソングライター、Hayley Williams(ヘイリー・ウィリアムス)。05/08(Fri)にリリースされた1stソロ・アルバム『Petals for Armor』の収録曲が、チャートにランクインされました。

バンド名義として、2017年にリリースされ高評価を得たアルバム『After Laughter』から、彼女にとって3年ぶりの新作となった本ニュー・アルバム。インタビューによれば、2018年に行なったバンドのツアー後、セラピーを集中的に受けていたほど彼女自身がメンタルヘルスの問題に悩まされていたことを語っており、2019年の時点で、バンドの今後の活動が未定でありメンバーが休息期間に入っていることを公言。その後、自身のツイートを通じて「最も近しい友人たちの力を借りて自分自身のものと呼べるものを作った。」(一部抜粋)と述べ、2020年にソロ・プロジェクトのリリースを明かしたことで大きな話題となりました。

今年1月から3曲のリード・シングル「Simmer」「Leave It Alone」「Cinnamon」を連続リリース。2月には、ソロ・アルバムの第1章を構成するEP「Petals for Armor I」をリリースし、4月に第2章となるEP『Petals for Armor II』を、アルバムのリリース前日には第3章となるEP『Petals for Armor III』が続けて公開されました。ソロ・アルバムを3部構成のEPとして先行公開した背景について、本人いわく「今回のアルバムにはたくさんのテーマがあるから、テーマごとに分けるのがベストかなと思った。次の曲へとぐんぐん進む前に、みんなに曲を楽しんでもらおうと思ってね。」とコメントしており、彼女が歩んできた道のりを見せた作品になっている模様です。

本ソロ・アルバム『Petals for Armor』は、これまで公開した3枚のEPをコンパイルした全15曲が収録されており、プロデューサーとして、Paramore(パラモア)のメンバーである、Taylor York(テイラー・ヨーク)が担当。ミックスおよびマスタリングは、アルバム『After Laughter』(2017年)を担当した、Dave Cooley(デイブ・クーリー)、Carlos de la Garza(カルロス・デ・ラ・ガルサ)がそれぞれ手がけており、収録曲「Roses/Lotus/Violet/Iris」のコーラスには、boygenius(ボーイジーニアス)のメンバー3人、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)、Lucy Dacus(ルーシー・ダカス)が参加しています。

またアルバム・タイトル『Petals for Armor』は、収録曲「Simmer」のリリックの一節から由来しており、インタビューによれば、かつて彼女が頭蓋仙骨療法(頭蓋骨と仙骨を調整することで脳脊髄液などの巡りをよくする療法)の施術を受けた際に、自分のなかから痛々しく、グロテスクに花が咲くという不思議なイメージが思い浮び、たくさんの何かが痛みを伴うほどに懸命に育まれようとしていると思ったとのことです。多くのMVも公開されており、あわせてぜひチェックを。



mei ehara / 歌の中で

愛知県出身、東京を拠点に活動しているミュージシャン、mei ehara。05/13(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『Ampersands』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にリリースした1stアルバム『Sway』以来となる、およそ2年半ぶりの新作に。2018年には、所属レーベル〈カクバリズム〉との自主企画イベント「カンバセイション」(渋谷WWW)を開催したほか、同年には「FUJI ROCK FESTIVAL 2018」へ初出演することに。2019年に入ると、7インチ・シングルとして先行発売していた「最初の日は/午後には残って」の配信リリースをしたほか、宅録音源シリーズ「HOME DEMOS」の第一弾となる作品『私をしも』をカセットならびにデジタル配信で発表。

また、アーティストの宣材写真の撮影や、ロゴ、グッズ、CD / レコードのデザインなどを手がけるほか、文筆家としても活動。2017年に創刊した文藝誌「」を主宰しており、2018年に発表した第二号では、エッセイ、短編小説、詩、写真・絵画作品などの多様な作品に加えて、自身の短編小説「土鳩」も掲載されています。加えて、王舟、藤森純(The Buffettment Group , 東京スプラウト法律事務所)とともに、ミュージシャンへのインタビュー・プロジェクト「DONCAMATIQ(ドンカマティック)」をスタートさせています。

本ニュー・アルバム『Ampersands』は、2019年に発表した楽曲「最初の日は」「不確か」やリード・シングル「昼間から夜」に加えて、何年も前に作ったという楽曲「ギャンブル」などを新録した全10曲が収録。バンドメンバーとして参加した、鳥居真道(Gt / トリプルファイヤー)、Coff(Ba /ex. どついたるねん)、浜公氣(Dr / どついたるねん)、沼澤成毅(Key / ODOLA)とともに制作したセルフ・プロデュース作となっており、エンジニアリングを田中章義、一部コーラスを内藤彩が担当しているほか、ジャケット・アートワークはニューヨークを拠点とするアーティスト、James Ulmer(ジェームス・アーマー)の書き下ろしイラストとなっています。

さらに、アルバム・タイトル『Ampersands」について、オフィシャル・インタビューによれば、ここ数年に起きたさまざまな人間関係の変化を受けて、人との関係性をテーマとした曲作りを進めたことを明かしており、自分「と」人を接続する意味としての「&(アンパサンド)」が由来となった模様。さらに先日から、自身がパーソナリティを務めるネットラジオ「Radio あんぱさんど」が配信開始しており、あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/10付)、Kehlani / KOHH / Tom Misch, Yussef Dayes / Opus Inn

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Kehlani / Can I (feat. Tory Lanez)

米カリフォルニア州オークランド出身のシンガーソングライター / プロデューサー、Kehlani(ケラーニ)。05/08(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『It Was Good Until It Wasn’t』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年にリリースされた3rdミックステープ『While We Wait』に次ぐ、およそ1年2ヶ月ぶりの新作に。同年には、EARTHGANG(アースギャング)、Arin Ray(アリン・レイ)、Zedd(ゼッド)、Teyana Taylor(テヤナ・テイラー)などの楽曲にフィーチャーされたほか、今年に入ってリリースされた、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)のアルバムおよびEPに参加。またプライベートでは、2019年3月に産前のマタニティブルーを経て第一子となる女児を無事出産。同年9月ごろより、YG(ワイジー)との交際が取り沙汰され、今年のバレンタインデーには両者によるコラボ・シングル「Konclusions」がリリースされるも、その後に公開したシングル「Valentine’s Day(Shameful)」で破局を明かしたことでも話題となりました。

本ニュー・アルバム『It Was Good Until It Wasn’t』は、リード・シングル「Toxic」「Everybody Business」「F&MU」を含む全15曲が収録されており、ゲストに、Tory Lanez(トーリー・レインズ)、Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)、Masego(マセーゴ)、Lucky Daye(ラッキー・ダイエ)、James Blake(ジェイムス・ブレイク)などをフィーチャー。Apple Music内のラジオ番組で放送されたインタビューによれば、アルバム・タイトル「It Was Good Until It Wasn’t」は、Boi-1da(ボーイ・ワンダ)と行ったトロントでのレコーディング作業のあと、Drake(ドレイク)の自宅で交わした会話がきっかけになった模様。自身の生活について話していたときに、Kehlani(ケラーニ)が発した「it was good until it wasn’t(そうじゃなくなるまでは、いい感じだったんだけどね)に、Drake(ドレイク)から「それって君のアルバムだよね」と言われことを明かしており、本ニュー・アルバムのコンセプトを要約しているフレーズだと感じたことから、現在のタイトルになったとのことです。

また本人のツイートによれば、ジャケット・アートワークは自宅の裏庭で撮影されたことを明かしており、ジャケットの裏表紙で描かれている様子とあわせて、善と悪の二元性を描写しているとのこと。視点の物語であるとして「太陽は輝いていて、空は青いのに、何か気になっている。隣の芝生は本当に青いのか?と疑問に思うの。良かったことは、そうではなくなるまでは良かったことだったけど、それって本当にそうだった?と。」とコメントしています。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



KOHH / Sappy

東京都北区王子出身のアーティスト、KOHH。04/29(Wed)にリリースされた、引退前最後とされるラスト・アルバム『worst』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2012年にリリースしたミックステープ『YELLOW T△PE』でデビューし、現在まで4本の『YELLOW T△PE』シリーズと、今作を含めた合計6枚のアルバムを発表。2008年ごろからクリエイティブ・ディレクター・高橋良(318)と活動を共にし、自らの複雑な家庭環境や想いの丈を日記のように綴ったリリック、自由度の高いフロウなど、キャリア初期から音楽性に対するアーティスティックな姿勢を追求していくように。ヒット・シングル「JUNJI TAKADA」(2013年)、2ndアルバム『MONOCHROME』(2014年)、1stアルバム『梔子』(2015年)などをリリースし、Keith Ape(キース・エイプ)「IT G Ma (feat. JayAllday, Loota, Okasian, KOHH)」(2015年)への客演参加をきっかけに、海外からの注目が一気に集まることに。

以降は、ヨーロッパやアメリカでの活動が続き、多くのアーティストと精力的にレコーディングを実行。Loota、ANARCHY、般若、5lack、TeddyLoid、宇多田ヒカル、Frank Ocean(フランク・オーシャン)、Mariah Carey(マライア・キャリー)、Higher Brothers(ハイヤー・ブラザーズ )、CA$HPASSION(キャッシュパッション)、Xavier Wulf(ザビエル・ヴルフ)などを含む、多くのコラボ楽曲を発表してきました。独自の存在感を印象付けた、3rdアルバム『DIRT』(2015年)、4thアルバム『DIRT Ⅱ』(2016年)、そして前作の5thアルバム『Untitled』とリリースを重ねていき、ひとたびステージに上がれば、地元の友人を交えたパフォーマンスや趣向を凝らした演出で客席を沸かすなど、テン年代を象徴するアーティストとして、常に予測不能な動きを見せてきました。

本ラスト・アルバム『worst』には、すでに公開されているシングル「I Think I’m Falling」や、今年1月に渋谷で開催されたワンマン・ライブ『KOHH Live in Concert』で読み上げられた「手紙」を含む、全15曲が収録。アルバムのクレジットには、Takeshi Gunji(Mony Horse)、Domino(Lil KOHH)の客演のほか、プロデューサーには、理貴、Jigg、MURASAKI BEATZ、Dax Money、YUNG XANSEI、Gacha Medz、に加えて、Mally the Martian(マリー・ザ・マーシャン)、Skrillex(スクリレックス)などが参加。演奏には、志磨遼平(ドレスコーズ)、Chassol(シャソール)が関わっており、NHK総合で先日放送された「シブヤノオト Presents KOHH Document」では、沖縄で行なった志磨とのレコーディング風景が映し出されていました。

そして、本作のコンプリートボックスには、前述したワンマン・ライブ『KOHH Live in Concert』の模様をコンパイルしたブルーレイが同封されており、バンドセット、ライゾマティクスが映像演出を手がけたDJセット、総勢24名の弦楽器奏者が参加したストリングセットを含む3部構成のパフォーマンスが収録されています。さらに自身のメンバーズ・サイト「王子復興財団」で、2015年からこれまでに開催したワンマン公演、海外公演、イベントなどのレアなライブ映像を中心に収めた特番『KOHH 王子復興財団SPECIAL PROGRAM』が限定放送されており、2021年2月末まで合計15本の映像が順次公開される予定になっています。自宅であわせてぜひチェックを。



Tom Misch, Yussef Dayes / Last 100

サウス・イースト・ロンドン出身のマルチプレイヤー / プロデューサー、Tom Misch(トム・ミッシュ)と、ジャズ・ドラマー、Yussef Dayes(ユセフ・デイズ)による注目のコラボが実現。04/24(Fri)にリリースされたジョイント・アルバム『What Kinda Music』の収録曲が、チャートにランクインされました。

10代のころから音楽制作を始め、ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ディスコなどをクロスオーバーさせた洒脱なサウンドで人気を博している、Tom Misch(トム・ミッシュ)。ミックステープ『Beat Tape』シリーズや、EP『Reverie』(2016年)、『5 Day Mischon』(2017年)などを経てリリースされた、デビュー・アルバム『Geography』が世界的な高評価を受け、サウス・ロンドン・シーンを代表する存在の1人に。さまざまなコラボ楽曲を発表するなか、2019年にリリースされたEP、星野源『Same Thing』の収録曲「Ain’t Nobody Know」を共同プロデュースするなど、日本での人気も高いことでも知られています。

一方、サウス・ロンドンのジャズ・シーンで同じく注目を集め、United Vibrations(ユナイテッド・ヴァイブレーションズ)、Yussef Kamaal(ユセフ・カマール)での活動でも知られるドラマー、Yussef Dayes(ユセフ・デイズ)。ジャズ、ファンク、ヒップホップのビート感覚だけでなく、ダブステップ、グライム、ひいてはレゲエ、ダブなど、あらゆるリズムを独自のブレンドで叩くドラマーとして、Alfa Mist(アルファ・ミスト)、Swindle(スウィンドル)、Loyle Carner(ロイル・カーナー)などとも共演。また、自身のシングル「Love Is The Message」(2018年)、「Duality」(2019年)もリリースするなど、シーンの旗手を担うドラマーとしての活躍が続いてます。

本アルバム『What Kinda Music』は、リード・シングル「What Kinda Music」「Lift Off」「Kyiv」「Nightrider」を含む全12曲が収録されており、ゲストに、Freddie Gibbs(フレディ・ギブス)、Rocco Palladino(ロッコ・パラディーノ)、Kaidi Akinnibi(カイディ・アキニビ)などをフィーチャー。音楽評論家・柳樂光隆(Jazz The New Chapter)による両者へのインタビューによれば、Tom Misch(トム・ミッシュ)が当時10歳のころに地元の学校で行われていたタレント・ショーで、Yussef Dayes(ユセフ・デイズ)のドラムを実際に見ていたというエピソードもあり、長期間を経てデビュー・アルバム『Geography』のローンチ・パーティーで、初めて知り合ったとのこと。2018年に英イーストボーンのスタジオへ入り、実験的なジャム・セッションを重ねたところアイディアが一気に溢れ、当初はジョイント・テープのつもりだったものの、さまざまな共同作業を経て本アルバムが完成した模様です。

そしてリリース当日から、今回のメイキングの背景に迫った短編ドキュメンタリー映像「What Kinda Music – Documentary」が配信されているほか、収録曲「Lift Off」「Kyiv」のライブ映像ならびに、MV「What Kinda Music」「Nightrider」が公開されています。未聴のリスナーは自宅であわせてぜひチェックを。



Opus Inn / Alone

神戸出身のミュージシャン、KAME(Vo, Producer)によるソロ・プロジェクト、Opus Inn。04/29(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

活動当初は、永田誠(Gt)との2人組ユニットとして、2016年より活動開始。プロジェクト名は、山下達郎のステージセットに設置されたモーテルの看板に書かれていたフレーズ「Opus Inn」に由来しており、エレクトロニカ、フューチャー・ソウル、ヒップホップなどを取り入れた、洗練されたサウンドを特色としています。2017年よりSoundCloudを通じて楽曲をアップし、サポートメンバーを含めたバンド編成でのライブ活動を開始。2018年には1st EP『Time Gone By』ならびに、2nd EP『Time Rolls On』をリリースし、アナログ・レコードでも発表されるなど各所で話題に。2019年に入って3rd EP『Time Stand Still』をリリースしたほか、同年に上映された二宮健・監督作「チワワちゃん」の一部劇中歌を担当。Shin Sakiura、MALIYA、KEIJU、IO、向井太一、N.U.D.E(DJ EMMA & DJ SHIMOYAMA)、おかもとえみ、橋本優紀の作品に楽曲提供およびフィーチャーされるなど、幅広い活躍が続いています。

本ニュー・シングル「Alone」は、ソロ・プロジェクトとして活動再開してから初の新作に。これまでの楽曲の世界観をさらにスケールアップさせたようなシンセ・バラードとなっており、宇宙空間を漂うかのようなリリックビデオもリリース当日から公開。コズミック感のあるシンセと内省的なボーカルの共鳴が、メロウで陶酔感のあるサウンドスケープを生み出しており、人生の新たな再出発が語られた英語詞も相まって、それぞれの孤独に寄り添うようなドリーミーなサウンドが展開されています。

加えて前述したリリック・ビデオは、これまでの作品のアートワーク、MV、ライブVJなどのデザインを手がけてきた、Issei Matsudaが引き続き担当。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/03付)、James Blake / millennium parade / Megan Thee Stallion, Beyoncé / どんぐりず

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



James Blake / You’re Too Precious

ロンドン出身のシンガーソングライター / プロデューサー、James Blake(ジェイムス・ブレイク)。04/24(Fri)にリリースされた待望のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年にリリースした4thアルバム『Assume Form』以来となる、およそ1年3ヶ月ぶりの新作に。近年は、Frank Ocean(フランク・オーシャン)、Beyoncé(ビヨンセ)、JAY-Z(ジェイ・Z)、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Travis Scott(トラヴィス・スコット)などの楽曲プロデュースが続き、自身の楽曲でも、Metro Boomin(メトロ・ブーミン)、André3000(アンドレ3000)をフィーチャーするなど、ヒップホップ・シーンとの繋がりが深いことで知られるように。2019年には、Bon Iver(ボニー・ベア)のアルバム『i,i』を一部プロデュースし、今年3月にリリースされ話題となった、Jay Electronica(ジェイ・エレクトロニカ)のデビュー・アルバム『A Written Testimony』にゲスト参加。

また、自身のアルバム『Assume Form』に参加した新鋭ミュージシャン・Khushi(クシー)のリミックス・シングル「This Is, Pt. I (James Blake Remix)」を手がけ、今年1月にリリースされたアルバム『Strange Seasons』でミックスを担当するなど、多くのコラボが続いていました。

そんななか、Mount Kimbie(マウント・キンビー)のメンバー・Dominic Maker(ドミニク・メイカー)と共作し、先日配信した自身のインスタグラム・ライブでスニペットを公開していた、本ニュー・シングル『You’re Too Precious』。2019年の時点で、次曲が「誰かの負荷を少し軽くして、ただその人を愛すること」をテーマとしたラブ・ソングであることを明かしていたほか、リリース直後のインタビューでは「ロックダウンディナーにちょうどいいかもしれません」(一部抜粋)とコメント。以前からプライベートで女優・Jameela Jamil(ジャミーラ・ジャミル)との交際が続いていることでも知られており、長い期間を過ごした大切なパートナーを守りたいといった旨のメッセージからも、コロナ禍のロックダウンによる影響で社会的孤立が進む現状に向けてリリースしたことが伺えます。

またリリース当日から、ジャケット・アートワークに描かれているキャラクターをモチーフにしたアニメーションMVも公開。さまざまな楽曲カバーも話題となった過去のインスタグラム・ライブも複数アーカイブされており、未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



millennium parade / Fly with me

常田大希(King Gnu)を中心にさまざまなクリエイターが参加する音楽集団、millennium parade。04/22(Wed)にリリースされたニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

2016年に「Daiki Tsuneta Millennium Parade」(DTMP)名義でリリースされたアルバム『http://』を経て、2019年4月より現名義で再始動した、millennium parade。これまで行ったライブでは、佐々木集(PERIMETRON)、Osrin(PERIMETRON)、Cota Mori(DWS)、ermhoi(Black Boboi)、新井和輝(King Gnu)、江﨑文武(WONK)、MELRAW、石若駿、勢喜遊(King Gnu)などのバンド・メンバーに加えて、Yuhei Kanbe(PERIMETRON)、比嘉了(Backspace Productions Inc.)、Kezzardrix(INT)といったCGクリエイターおよびビジュアル・アーティスト / プログラマーが参加しており、ジャンルレスなサウンドと先鋭的な3D映像による「トーキョー・カオティック」(世界から見た東京の音)の世界観が話題に。

これまでにシングル「Veil」「Plankton」「Stay!!!」「lost and found」を配信リリースしているほか、2019年末に東阪ライブツアー「millennium parade Live 2019」を開催。同年11月には、渋谷パルコ内にある「DIOR MEN’S POP-UP STORE」で販売されたカプセル・コレクション「DIOR and RIMOWA」のムービーをクリエイティブ・レーベル〈PERIMETRON〉と制作するなど、独自の活動が続いています。

本ニュー・シングル「Fly with me」は、士郎正宗による近未来SFの金字塔「攻殻機動隊」のオリジナルアニメ・シリーズ最新作として、今年4月からNetflixで全世界独占配信がスタートしている「攻殻機動隊 SAC_2045」のオープニングテーマとして起用されており、2019年5月に開催されたローンチライブ「millennium parade” Launch Party!!!」の1曲目として初披露された楽曲。常田は、アニメのオフィシャルサイトに「攻殻機動隊の主題歌を作って欲しいというオファーを頂いた時、身体中の血が湧き上がったのを今でも覚えている。なぜなら俺たちがmillennium paradeで作ろうとしている世界観は攻殻機動隊から多大なる影響を受けているから。」(一部抜粋)というコメントを寄せているほか、他のインタビューで「『Fly with me』は、『SAC_2045』の主題歌であると同時に俺たち自身のテーマソングでもある。2020年は新しいmillennium paradeを見せていこうと動いていて、『Fly with me』はそのスタートとなる曲。」(一部抜粋)と述べており、親和性の高いコラボであることが伺えます。

そして、同時リリースされた「millennium parade × ghost in the shell: SAC_2045」名義のBサイドには、ハリウッド実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017年)テーマソングのリミックスも手がけたDJ / プロデューサー、Steve Aoki(スティーヴ・アオキ)による「Fly with me – Steve Aoki Neon Future Remix」が収録。さらに「攻殻機動隊2045製作委員会」協力のもと、millennium parade初のモーションキャプチャーの撮影を取り入れたフルCGのMVも公開されています。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



Megan Thee Stallion / Savage (Remix) [feat. Beyoncé]

米テキサス州ヒューストン出身のラッパー / シンガーソングライター、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)。04/29(Wed)にリリースされた話題のリミックス・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナル・バージョンは、03/06(Fri)にリリースされているニュー・EP『Suga』に収録されている人気曲であり、TikTokを中心に広がっているダンス・チャレンジ「#SavageChallenge」が話題のバイラルヒット・チューン。きっかけとなったのは、TikTokユーザー・Keara Wilson(ケアラ・ウィルソン)が、03/12(Tue)から連続投稿していたダンス・チャレンジ動画。03/16(Mon)に、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)本人がメンションしたことで一気に火がつき、Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン)、Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)と、Hailey Bieber(ヘイリー・ビーバー)夫妻など多くのトップセレブやインフルエンサーがダンス・チャレンジに参加し、オリジナル・バージョンが全米シングル・チャート14位を記録(04/14時点)するまでに広がりを見せていました。

本リミックス・シングル「Savage (Remix) [feat. Beyoncé]」は、2019年の大晦日に、Beyoncé(ビヨンセ)宅で開催されたパーティーで初対面を果たした両者による初のコラボ。そのときの様子について「気を失いそうだったけど、なんとか冷静さを保った」と語るほど、Beyoncé(ビヨンセ)の大ファンであることを以前から公言しており、ともに米テキサス州ヒューストン出身という共通点がある間柄。今回の楽曲収益は、新型コロナウイルスの影響を受けている地元・ヒューストンで救済活動をしている非営利団体「Bread of Life, Inc.」に寄付することを表明しており、Beyoncé(ビヨンセ)の慈善団体「BeyGOOD」を通じて支援される模様。加えて「BeyGOOD」では、ジャック・ドーシー(Twitter CEO)が設立した慈善基金「Start Small」と協力して、コロナ禍で仕事する人々のメンタルヘルスおよびパーソナルウェルネスなどのサポート支援のために、合計600万ドル(約6.5億円)をローカル団体に寄付していました。

またリリース当日から、本リミックス・シングルのオーディオMVも公開。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



どんぐりず / jumbo

群馬県桐生市出身のヒップホップ・ユニット、どんぐりず。04/22(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

ともに1998年生まれの幼なじみという、チョモランマ、森の2人で構成され、「確かな信頼、安心の実績」を理念に音楽の力で世界を平和にすることを目指して活動している、どんぐりず。2012年の結成当初は、チョモランマが弾くアコースティックギターと森のボーカルによる弾き語りユニットとして始動し、2014年にYouTubeで公開したマキシマムザホルモン「ぶっ生き返す!!」カバーや、その後のさまざまなオリジナル楽曲が、パフォーマンスのクオリティとユーモアセンスの高さが生むギャップで徐々に話題に(インタビューによれば「音楽とユーモア」という点において、クレイジーキャッツに影響を受けたとのこと)。

2015年には1stアルバム『世界平和』をリリースし、2016年には4人組バンドとして1年ほど活動したのち、現体制となってからDTMを用いた作曲が本格化することに。完全自主制作のMVとともに「こっから」「わっしょい!」「Like a magic」などを公開し、2018年元日に2ndアルバム『』をリリース。2019年からストリーミング配信を開始し、同年にリリースしたシングル「powerful passion」が話題となるなか、今年3月のチョモランマの誕生日には最後の自主制作アルバムとして『baobab』を公開していました。

そんななか、森の誕生日にリリースした本ニュー・シングル「jumbo」について、チョモランマは「安易かもしれないけれど、jumboというタイトルは俺たちの未来なんだ。俺たちのスケールはどんどんデカくなってる」とコメント。今回のリリースで、ビクターエンタテインメント内に新たに設立されたレーベル〈CONNECTUNE〉からデビュー決定したほか、ビクターエンタテインメントとクリエイティブマンプロダクションの共同サポートで、クリエイティブマンプロダクションが立ち上げた〈SPACE ODD MANAGEMENT〉第1弾アーティストになることが発表されており、今後さらなる飛躍が期待されます。

そしてリリース当日にはメンバー2人の地元である群馬県桐生市で撮影されたMVをアップしているほか、04/25(Sun)19:00から生配信された(?)番組「どんぐりラボライフ」が「イメージダウン」というタイトルとして1週間限定(05/01まで)公開。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(04/26付)、THE SCOTTS(Travis Scott & Kid Cudi) / kZm / Fiona Apple / CIRRRCLE

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



THE SCOTTS(Travis Scott & Kid Cudi) / THE SCOTTS

Travis Scott(トラヴィス・スコット)、Kid Cudi(キッド・カディ)による新グループ、THE SCOTTS(ザ・スコッツ)。04/24(Fri)にリリースされた話題のデビュー・シングルが、チャートにランクインされました。

両者は、これまでリリースしたそれぞれの楽曲「way back」「through the late night」「Baptized in Fire」(2016年)、「STOP TRYING TO BE GOD」(2018年)でのコラボや、他アーティストの楽曲クレジットで共演していたほか、Travis Scott(トラヴィス・スコット)にとっては、Kid Cudi(キッド・カディ)の本名「Scott Mescudi(スコット・メスカディ)」のファーストネーム(Scott)を自身のステージネームに引用するほど、最も影響を受けたアーティストの1人としてリスペクトを表明していた間柄。

そんななか、04/24(Fri)~26(Sun)に、世界的マルチプレイゲーム「フォートナイト」で、Travis Scott(トラヴィス・スコット)のバーチャルライブが披露されたワンタイムイベント「Astronomical」が開催。本ニュー・シングル「THE SCOTTS」が初公開されたほか、同時接続プレイヤー数が過去最高の1,230万人を突破したことで話題となり、コロナ禍で多くの音楽活動が自粛を求められる昨今でライブ表現の新たな方向性を示したことでも注目を集めました。

また両者にとって今年初のシングルとなった本楽曲「THE SCOTTS」は、Travis Scott(トラヴィス・スコット)率いるレーベル〈Cactus Jack〉を通じてリリースされており、プロデューサーには、アルバム『ASTROWORLD』(2018年)を手がけた、Mike Dean(マイク・ディーン)を筆頭に、Daytrip(デイトリップ)、Dot da Genius(ドット・ダ・ジニアス)、Plain Pat(プレイン・パット)などが参加。リリックの一節では、ラップ・ゲームのアウトサイダーからポップ・スターの座に君臨しつづける両者の矜恃が、フォートナイトのプレイヤーに向けているかのように語られています。

そしてジャケット・アートワークは、米ニューヨークを拠点に活動する人気グラフィック・デザイナー・KAWS(カウズ)が担当しており、先日開催された「Astronomical」のダイジェストシーンを収めたMVも公開されています。さらに先日配信された両者のインスタライブで新曲と思われる楽曲の一部を披露しており、さらなる続報が期待されます。



kZm, Tohji / TEENAGE VIBE

東京・渋谷出身のラッパー、kZm。04/22(Wed)にリリースされたニュー・アルバム『DISTORTION』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年3月にリリースされた1stアルバム『DIMENSION』以来となる、およそ2年ぶりの新作に。ヒップホップ・クルー〈YENTOWN〉に所属する最年少ラッパーとして知られ、PETZ『COSMOS』(2019年)、Awich『孔雀』(2020年)、JNKMN『JNKMN NOW』(2020年)など、レーベルメイトのアルバムにゲストとして多数参加。また、2018年に日本初上陸した世界最大級のヒップホップ・フェス「Rolling Loud 2018」のほか、ダンスミュージック・フェスティバル『EDC JAPAN 2019』に出演し、Rae Sremmurd(レイ・シュリマー)ジャパン・ツアーのオープニングアクトを担当。アパレルでは、所属レーベル〈De-void*〉とグラフィックアーティスト・VERDYとのコラボ・ポップアップを開催したほか、FULL-BKとのコラボ・コレクションを発表するなど、幅広い活動が続いています。

本ニュー・アルバム『DISTORTION』には、リード・シングル「GYAKUSOU」「But She Crie」のリミックスに「鏡花水月」を含む全17曲が収録されており、前作『DIMENSION』に引き続きプロデューサー・Chaki Zulu(YENTOWN)がトータルプロデュースを担当。ゲストには、前作に引き続き、5lack、BIMが参加しているほか、野田洋次郎(RADWIMPS)、小袋成彬、MonyHorse(YENTOWN)、LEX、Daichi Yamamoto、Tohji、といった豪華客演陣が実現。プロデューサーには、VaVa、DISK NAGATAKIに加えて、米プロデューサー・Kenny Beats(ケニー・ビーツ)が参加しており、ラスト・トラック「Teenage Vibe」には、Bloc Party(ブロックパーティー)「Helicopter」(2004年)のベースラインがサンプリングされています(Tohjiによる楽曲解説がツイッターで公開)。

加えて収録曲「鏡花水月」を先行リリースした際に、今回のアルバム・リリースを決断するまでに多くの苦悩を抱えていたことを明かしており、「でもこんな状況だからこそ僕達表現者は止まってはいけないのかなと思いました。出来る事は限られるけど引き継ぎやりたい事をやらせてもらいます。」「こんな時不満が溜まった世の中だからこそ今は特に愛が大事なんじゃないかと思う。」(一部抜粋)とコメント。国内出身のラッパー初となる、Apple Musicの総合アルバム・チャート1位を記録(04/22時点)するなど快進撃が続いており、未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



Fiona Apple / Shameika

米ニューヨーク出身のシンガーソングライター、Fiona Apple(フィオナ・アップル)。04/17(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『Fetch The Bolt Cutters』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2013年のグラミー賞最優秀オルタナティブ・アルバム賞にノミネートされた4thアルバム『The Idler Wheel…』(2012年)以来となる、およそ8年ぶりの新作に。2017年に米ワシントンで行われたウィメンズ・マーチのためにシングル「Tiny Hands」を書き下ろしたほか、2019年には自身の2ndアルバム『When the Pawn…』(1999年)の収録曲「I Know」を、King Princess(キング・プリンセス)がカバーしたコラボ・シングル「I Know (feat. Fiona Apple)」がリリースされるなか、同年3月にSNSを通じてニュー・アルバムがレコーディング中であることを表明していました。

その後のインタビューによれば、2012年からアルバムの構想が始まり、2015年からバンドメンバーとともにリハーサルを開始。自身のホームスタジオの周辺で泥まみれのオイル缶や海の藻屑などの音をフィールドレコーディングし、愛犬・ジャネットの遺骨も楽器として使用するなど、パーカッシブな曲作りが進行した模様。2019年7月から今年1月にかけてミキシングが行われた末、今年3月に自身のファンサイト「Fiona Apple Rocks」に公開した動画「5」で「M-Y-R-E-C-O-R-D-I-S-D-O-N-E」(私のレコードが完成した)と手話で報告していました。

本ニュー・アルバム『Fetch The Bolt Cutters』のタイトルは、イギリスの人気サスペンス・ドラマ『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』で、ジリアン・アンダーソン演じる主人公のセリフ「ボルトカッターを持ってきて」を引用したもの。性犯罪捜査官の主人公が、暴行を受けて監禁された少女を救うために発したセリフであり、引用した意図について「本当に何を意味するかというと、発言することを恐れないということ」とコメント。#MeToo ムーブメントとリンクしたアルバムともなっており、自由になるための解放の道具(ボルトカッター)を手に入れようとするメッセージが込められています。

そしてミュージシャンには、ドラマー・Amy Wood(エイミー・ウッド)、サウンドエンジニア・John Would(ジョン・ウッド)、ベーシスト・Sebastian Steinberg(セバスチャン・スタインバーグ)、ギタリスト・David Garza(デイヴィッド・ガルサ)が参加しているほか、収録曲「Newspaper」には実姉・Maude Maggart(モード・ マッガート)、タイトルトラック「Fetch The Bolt Cutters」には女優 / モデル・Cara Delevingne(カーラ・デルヴィーニュ)がコーラスを担当しています。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



CIRRRCLE / Under Pressure

東京・ロサンゼルスを拠点に活動しているヒップホップ・クルー、CIRRRCLE。04/22(Wed)にリリースされたニュー・EP『BESTY』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・EPとしては、2018年にリリースされた3rd EP『Fast Car』以来となる、およそ1年8ヶ月ぶりの新作に。2019年には、K-POPシーンで人気を集めるシンガーソングライター・MRSHLL(マーシャル)をフィーチャーした初のリミックス・シングル「Petty(Remix)feat.MRSHLL」を公開したほか、毎月新曲をリリースするプロジェクト「HAPPY Wednesdays」を通じてシングル「Too Fragile」「Mental Health」「Love Me Baby Always」「In The Sky」などを連続リリース。さらに同年に開催された都市型音楽フェス「Red Bull Music Festival」で、アジアン・カルチャーを発信するメディア・プラットフォーム〈88rising〉とのコラボイベント「Japan Rising」に出演したほか、大阪、ロサンゼルスでのイベント出演を経て、米シアトルを拠点に活動しているプロダクションチーム・The Flavr Blue(ザ・フレイヴァー・ブルー)とのコラボ・シングル「Like I’m Home」を発表するなど、ボーダーレスな活動が続いています。

キャリア初となる全国流通盤として、SIRUP、Chocoholicなどを擁するレーベル〈Suppage Records〉からリリースされた、本ニュー・EP『BESTY』。リード・シングル「TYO」「Under Pressure」を含む全6曲が収録されており、R&Bをルーツに持つシンガー・Amiide(アミイデ)、元ドラマーでパンクロックから影響を受けたラッパー・Jyodan(ジョーダン)、ファンク、ディスコ、シカゴ発のヒップホップをメインとするDJをしていたプロデューサー・A.G.O(アゴ)のバックグラウンドを幅広く注入。「ハッピー・ヒップホップ」を掲げるクルーならではのバラエティ豊かなサウンドが展開されており、ジャケット・アートワークは、これまでと同様に米ニューヨークを拠点に活動しているグラフィッ クデザイナー・Sho Hanafusaが担当しています。

そして初のフェス出演として、今年7月に福井県で開催予定の音楽フェスティバル「ONE PARK FESTIVAL 2020」への出演が決定(04/26時点)。さらに先日放送された、NACK5「Hit! Hit! Hit!」(04/24放送回)でのコメント出演によれば、自身のYouTubeチャンネルで以前公開したライブ企画「Tiny Apt Concert」の配信を、今後予定している模様。毎週土曜にメンバーのセレクトが更新されるSpotifyプレイリスト「OMAKASE SATURDAY」とあわせて、自宅でぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(04/19付)、DaBaby / Shohei Takagi Parallela Botanica / Jamie xx / YONA YONA WEEKENDERS

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



DaBaby / ROCKSTAR (feat. Roddy Ricch)

米オハイオ州クリープランド生まれ、ノースカロライナ州シャーロット育ちのラッパー・DaBaby(ダベイビー)。04/17(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『BLAME IT ON BABY』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2019年9月にリリースされた2ndアルバム『KIRK』に次ぐ新作に。2015年に、Baby Jesus(ベイビー・ジーザス)名義で音楽活動を開始させ、しばらくして現名義に。2017年から『Baby Talk』『Billion Dollar Baby』を始めとするミックステープ・シリーズを連続リリースし、米オースティンで開催される祭典「SXSW」のステージでは大人用おむつを着用したパフォーマンスも話題に。2019年にはレーベル〈Interscope Records〉を通じてデビュー・アルバム『Baby on Baby』をリリース。収録曲「Suge」が屈指のバイラルヒットを記録し、第62回グラミー賞最優秀ラップパフォーマンス賞ならびに最優秀ラップソング賞にノミネート。その後、Lizzo(リゾ)「Truth Hurts(DaBaby Remix)」、Lil Nas X(リル・ナズ・X)「Panini(Remix)」、Post Malone(ポスト・マローン)「Enemies」、Camila Cabello(カミラ・カベロ)「My Oh My」を含む数多くの楽曲に参加するなど、現在のシーンを代表するラッパーの1人として大きな注目を集めています。

本ニュー・アルバム『BLAME IT ON BABY』には、Future(フューチャー)、Roddy Ricch(ロディ・リッチ)、Quavo(クエイヴォ)、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)、YoungBoy Never Broke Again(ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン)、A Boogie wit da Hoodie(エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)、jetsonmade(ジェットソンメイド)、London on da Track(ロンドン・オン・ダ・トラック)などが参加。収録曲「Nasty」には、2002年にリリースされた、Ashanti(アシャンティ)「Baby」がサンプリングされており、キャリア初のR&B楽曲としても話題となっています。

そして先日から、防護服を着用して家の除菌作業を続けるスタッフの横でひたすらダンスムーブを続けるユーモラスなMV「Jump」が公開。マスク姿のジャケット・アートワークからも、新型コロナウィルス禍の世情をいち早く反映させる姿勢が伺えます。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



Shohei Takagi Parallela Botanica / リデンプション・ソング

ceroのフロントマン・髙城晶平によるソロ・プロジェクト、Shohei Takagi Parallela Botanica(ショウヘイ・タカギ・パラレラ・ボタニカ)。04/08(Wed)にリリースされた注目の1stアルバム『Triptych』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2015年にリリースされたアルバム、cero『Obscure Ride』の段階から本名名義とは別のプロジェクトを始める思いを持っていたことから、今回のソロ活動が立ち上がったという、Shohei Takagi Parallela Botanica。プロジェクト名の由来について、特設サイトのインタビューによれば「生物系三大奇書」の一冊として知られる、オランダ出身の絵本作家・Leo Lionni(レオ・レオーニ)『平行植物』(1980年)の原著名『La Botanica Parallela』が由来とのこと。高城自身の実年齢とともに歳を重ねていく音楽を目指し、かねてからフェイバリットに挙げている、Joe Henry(ジョー・ヘンリー)が持つローファイ的感覚を志向したアルバムとなっています。

本アルバム『Triptych』は、ceroのサポート・メンバーとして長年関わりのある、光永渉(Dr)、角銅真実(Vib, Cho)に加えて、伴瀬朝彦(Key)、ハラナツコ(Sax)、松井泉(Per)、秋田ゴールドマン(Wood Bass)、中山うり(Tp, Cho)、武嶋聡(Cl, etc)、田島華乃(Vn)、高田漣(Pedal Steel Guitar)などのミュージシャンが参加しており、cero「街の報せ」(2016年)のBサイド「ロープウェー」でコラボした、Sauce81が共同プロデュースを手がけています。アルバム・タイトルは、米テネシー州ナッシュビル出身の作家・Madison Smartt Bell(マディソン・スマート・ベル)の短編集『ゼロデシベル』(1991年)に収められている同名三遍「Triptych」から引用しており、全9曲が収録された3部構成の作りとなっています。

そして、04/22(Wed)にはアルバム収録曲「ミッドナイト・ランデヴー」と細野晴臣「PLEOCENE」(1989年)カバーをコンパイルした7インチ・アナログがリリース決定。CDとあわせて自宅でぜひチェックを。



Jamie xx / Idontknow

The xx(ザ・エックス・エックス)のメンバーで、ロンドン出身のプロデューサー / DJ、Jamie xx(ジェイミー・エックス・エックス)。04/16(Thu)にリリースされた待望のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2015年にリリースしたアルバム『In Colour』以来となる、およそ5年ぶりの新作に。同作ならびにアルバム収録曲は、第58回グラミー賞最優秀ダンス / エレクトロニック・アルバム賞や「The BRIT Awards 2016」最優秀ブリティッシュ男性ソロ・アーティスト賞へのノミネートをはじめ、多くのアワードを席巻したことでも話題に。

プロデュース・ワークとして、2017年にリリースされたアルバム、The xx(ザ・エックス・エックス)『I See You』のトータル・プロデュースを手がけたほか、Florence + The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「Big God」の一部作曲、Mark Ronson(マーク・ロンソン)「Nothing Breaks Like a Heart」のプロデュースなどを担当。2020年に入って公開されたアルバム、Headie One & Fred again..(ヘディ・ワン & フレッド・アゲイン)『GANG』の収録曲「Smoke」にフィーチャーされるなど、幅広いコラボが続いていました。

そんななかリリースされ、2019年秋ごろから世界各国のダンス・フロアで披露されていた、本ニュー・シングル「Idontknow」。今回のリリースについて、自身のインスタグラムの投稿によれば、しばらく音楽を完成させることができなかった悔しさの捌け口として「Idontknow」を制作したことを明かしており、新型コロナウィルス禍で外出できない状況を鑑みて、この曲を自宅で踊ることによって少しのあいだでも解放してほしいことをコメント。さらに、本ニュー・シングルの12インチ・アナログの先行予約を開始しており、インディーズのレコード店へのサポートを働きかけています。

そして先日公開されたMVには、ロンドン出身のダンサー / 振付師・Oona Doherty(オナ・ドハーティ)と彼女の呼びかけによって集まった友人たち(Paula、Tom、Janie、Rosie)が出演。Jamie xx(ジェイミー・エックス・エックス)からの出演依頼を受けて、無料のスタジオが見つかってラッキーだったことに加えて、彼の音楽が人々をどのように動かしているのかを知ってもらおうと、今回のダンスの映像を送った模様です。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



YONA YONA WEEKENDERS / 遊泳

東京を拠点に活動しているバンド、YONA YONA WEEKENDERS。04/10(Fri)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年にリリースされた1st EP『夜とアルバム』に次ぐ、今年初の新作に。メロコア・ パンク出身のメンバー、スズキシンゴ(Ba)、キイチ(Gt)、磯野くん(Vo, Gt)、小原”beatsoldier”壮史(Dr)の4名で、2016年に結成。都内のライブハウス中心に人気を集めるなか、2018年に会場限定で発売した1stミニ・アルバム『誰もいないsea』や、2019年に開催された「レコードストアデイ2019」でリリースされた初の7インチ・アナログ「誰もいないsea / 明るい未来」が、各所で高評価を獲得。「ツマミいらずのグッドミュージック」(深夜に行ったミニ・アルバムのリリース・パーティー時に、お酒が500杯ほど出たエピソードから由来)というキャッチフレーズのもと着実に注目を集め、同年12月に奇妙礼太郎をゲストに迎えて開催した、1st EP『夜とアルバム』のリリース・パーティーがソールドアウトを記録するなど、お酒が進むシティポップ・バンドとして話題となっています。

そんななかリリースされた本ニュー・シングル「遊泳」は、うとうと眠くなりがちな春の休日を想起させるシティポップとなっており、TBSラジオの今週(4/6-4/12)の推薦曲としても多数オンエア。Kazuhiko Kumagai(littlenèllo)が手がけたリリックビデオでは、メンバー4人が公園でキャッチボールをする和やかな風景が映し出されているほか、ジャケット・アートワークは磯野くんの水着姿がモチーフになっているとのこと。また新しいアーティスト写真も公開されており、オオギシトモヒロ(Focha!)が撮影を担当しています。

そして、04/08(Wed)にレーベルメイトである先輩バンド・AFRO PARKERが配信リリースしたニュー・シングル「Night Heron」に磯野くんがゲスト参加。さらに、オフィシャルツイッターアカウントをフォローして該当ツイートをリツイートした全員に贈られる、メンバーオリジナルの特製ラジオ音源プレゼント企画が実施中。気になるリスナーは自宅でぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(04/12付)、Drake / 折坂悠太 / Phoebe Bridgers / JP THE WAVY

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Drake / Toosie Slide

カナダ・トロント出身のラッパー、Drake(ドレイク)。04/03(Fri)にリリースされた話題のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナル・シングルとしては、2020年初の正式リリースに。今年に入って公開された、Future(フューチャー)のシングル「Life Is Good」や、Lil Yachty(リル・ヨッティ)、DaBaby(ダベイビー)とのコラボ・シングル「Oprah’s Bank Account」に参加しているほか、自身の未公開シングル「Desires」「Chicago Freestyle」「When to Say When」などがネット上で連続リークされていることでも話題に(現在は、YouTube、SoundCloudで限定公開)。なかには、Kanye West(カニエ・ウェスト)プロデュースの楽曲「Vital」がリークされているほか(現在は削除済み)、インスタグラム・アカウント「OVO Mark」で配信されたインスタライブでは、Playboi Carti(プレイボーイ・カルティ)とのコラボ曲「Pain 1993」を含む多くの未公開曲を流しており、リスナーのあいだで次なるニュー・アルバムのリリースが囁かれていました。

そんななか、米ミシガン州出身の兄弟デュオ「Ayo&Teo」が「新しいダンスムーブ #toosieslide だ。ドレイクの未発表曲だよ」というキャプションをつけてTikTokにアップした、リリース前の本ニュー・シングルに合わせてダンスする動画がバイラル・ヒットを記録。シングル・タイトル「Toosie Slide」は、今回のダンスムーブを考案した米アトランタ出身の振付師・Toosie(トゥージー)が由来となっており、リリース前日に公開されたインタビューによれば、Drake本人から新曲に因んだ新しいダンスムーブを要求されたことを明かしており、その際に考案した振り付けが「Toosie Slide」というネーミングで気に入られたことから、今回のリリースに至ったとのことです(なお、Drake曰く「右足を上げて、左足でスライド / 左足を上げて、右足をスライド」というリリックは、マイケル・ジャクソンのムーンウォークをイメージして当初作詞していた模様)。

さらにリリースと同時に、Drake自身が「The Embassy(大使館)」と名付けている豪華な自宅を舞台にしたMVも公開。外出自粛生活が続くトロントにて、黒マスク、黒グローブを着用した完全防備スタイルで軽やかなムーブを披露しつつ、庭から花火を打ち上げています。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



折坂悠太 / トーチ

鳥取県出身、千葉県を拠点に活動しているシンガーソングライター、折坂悠太。04/01(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナル・シングルとしては、2019年8月にリリースされた「朝顔」以来となる、およそ8ヶ月ぶりの新作に。同年には、山内弘太(Gt)、宮田あずみ(コントラバス)、yatchi(P)、senoo ricky(Dr)という京都を拠点に活動するミュージシャンとともに新たな特別編成「折坂悠太(重奏)」を始動させ、ワンマンライブのほか全国12カ所を巡る弾き語りツアー「折坂悠太のツーと言えばカー2019」を開催。一方、VIDEOTAPEMUSICのアルバム『The Secret Life Of VIDEOTAPEMUSIC』の収録曲「Stork (feat.折坂悠太)」に参加したほか、同アルバムのリリース・ツアー(大阪・名古屋公演)にもゲスト出演。また、2019年4月に京都府内で撮影されたライブ映像作品「めめ live recording H31.04.03-04」が期間限定で公開されたほか、同ライブの音源7曲が収録されているライブ盤CDが発表されるなど、さまざまな活動が続いています。

butajiとコラボした本ニュー・シングル「トーチ」は、昨年に開催した弾き語りツアー「折坂悠太のツーと言えばカー2019」から披露されているほか、重奏編成としては初のレコーディング作品に。折坂が作詞、butajiが作曲をそれぞれ担当しており、折坂のコメントによれば「”これは次が来たんだな、人の力ではどうしようもない次があるんだな”台風が過ぎたある日、butajiさんはそう言って、この灯をつないでくれた。トーチ。他ならぬ、今の私へ。」と語っており、昨年に襲った自然災害をモチーフに制作した模様です。加えて、2曲目には2人の弾き語りバージョン「トーチ(二人きり)」が収録されています。

そして先日、2016年に公開した1stアルバム『たむけ』に収録されている「」のリアレンジ、歌詞を変更した新録バージョン「Wadachi2020」を、自身のSoundCloudにアップ。さらに、04/12(Sun)19:00~にオフィシャルYouTubeチャンネル「GRAPHERS’ GROUP」に生配信される音楽イベント「新生音楽 MUSIC AT HOME」へ出演決定。多くの出演者たちが各自宅で事前収録した演奏動画をリレー形式でライブストリーミングすることが予定されており、気になるリスナーは自宅でぜひチェックを。



Phoebe Bridgers / Kyoto

米ロサンゼルス出身のシンガーソングライター、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)。06/19(Fri)にリリースが予定されている待望のニュー・アルバム『Punisher』のリード・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にレーベル〈Dead Oceans〉を通じてリリースされたデビュー・アルバム『Stranger In The Alps』に次ぐ2作目のアルバムに。デビュー・アルバムが多くのアルバム・オブ・ザ・イヤーにリストアップされ、その後は人気テレビシリーズ「トリンケット ~小さな宝物~」「13の理由」を含むさまざまな作品に自身の楽曲が挿入されるなど、現在にかけてインディーロック・シーンきっての注目の存在に。

2018年には、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)、Lucy Dacus(ルーシー・ダカス)によるスーパーグループ・boygenius(ボーイジーニアス)を結成し、デビュー・EP『boygenius』をリリース。また、Conor Oberst(コナー・オバースト)とのバンド・Better Oblivion Community Center(ベター・オブリヴィオン・コミュニティー・センター)として、2019年に1stアルバム『Better Oblivion Community Center』を発表するなど、さまざまな活動が続いています。

2018年の夏から2019年の冬にかけてレコーディングを行ったという本ニュー・アルバム『Punisher』には、リード・シングル「Garden Song」「Kyoto」を含む全11曲が収録予定。ドラム・Marshall Vore(マーシャル・ボア)、ギター・Harrison Whitford(ハリソン・ホイットフォード)、ベース・Emily Restas(エミリー・レスタス)、ピアノ・Nick White(ニック・ホワイト)といったバンドメンバーに加えて、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)、Lucy Dacus(ルーシー・ダカス)、Conor Oberst(コナー・オバースト)などを含む、これまでコラボを行った多くのミュージシャンたちが参加。ミックスは、デビュー・アルバム『Stranger In The Alps』を手がけたエンジニア・Mike Mogis(マイク・モーギス)が再び担当しています。

なかでも「インポスター症候群(詐欺師症候群)」について歌ったという本リード・シングル「Kyoto」は、ずっと行きたかった日本へ初めて訪れた際、自分の曲を聴きたい人たちの前でライブをしたときに、他の誰かの人生を生きているように感じたことなどを反映。先日から公開されているMVでは、本来ならば日本で撮影する予定だったものの、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、グリーン・バックに京都(をメインとした)映像を流して旅行をしているかのような演出が展開されています。未聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。



JP THE WAVY, Jay Park / BLIND

湘南平塚出身のラッパー / ダンサー、JP THE WAVY。04/08(Wed)にリリースされた待望の1stアルバム『LIFE IS WAVY』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2017年に国内外でバイラルヒットを記録したシングル「Cho Wavy De Gomenne Remix feat.SALU」で華々しいデビューを飾ったのち、EP『WAVY TAPE』を公開。その後、HIYADAM、MIYACHI、DJ CHARI、RYKEY、など多くのラッパーとのコラボ曲を発表するなか、2018年12月にシングル「Neo Gal Wop」をリリース。2019年には自身のシングル「Just A Lil Bit (feat. Sik-K)」「CHOTANOSHI (feat. Nasty C)」のほか、RIRIとのカバー・シングル「Dilemma」や、m-flo「Toxic Sweet feat. JP THE WAVY」、加藤ミリヤ「顔も見たくない feat. JP THE WAVY」など、多くのコラボ・プロジェクトに参加。

今年に入ってから、Vladimir Cauchemar(ウラジミール・コシュマール)とのコラボ・シングル「Born Winner」に加えて、メディアプラットフォーム〈88rising〉を代表するラッパー・Rich Brian(リッチ・ブライアン)が始めた、TERIYAKI BOYZ「TOKYO DRIFT」のビートジャック・シリーズ「TOKYO DRIFT FREESTYLE」への参加動画が話題になるなど、幅広い活動が続いています。

本アルバム『LIFE IS WAVY』には、リード・シングル「GOOD PEOPLE GOOD COFFEE (feat.OZworld)」ならびに、AKLO、MonyHorse、LEXをフィーチャーしたリミックス・バージョン、世界を舞台に活躍する日本人プレイヤーへのリスペクトとダンスムーブが話題となったシングル「Louis 8」を含む全18曲が収録。クレジットには、VERBAL(m-flo)、MIYACHI、Jay Park(ジェイ・パーク)、Ninety6miles、などがフィーチャーされているほか、プロデューサーとして、JIGG、Matt Cab、star boy、No Identityなど、国内外のゲストが参加しています。また、CDとTシャツがセットになった初回限定盤「WAVY PACK」も発表されており、デザインはジャケット・アートワークともにグラフィックアーティスト・VERDYが担当しています。

そして先日から、オフィシャルYouTubeチャンネルに新たなシリーズ「WAVY TV」を公開。自宅で楽しめる動画コンテンツとして、初回には「WAVY PACK」の開封映像やライブ舞台裏、制作背景、プライベート風景などが映し出されています。未視聴のリスナーは自宅でぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(04/05付)、Thundercat / WONK / Yaeji / Shin Sakiura

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Thundercat / Funny Thing

LA出身のベーシスト / シンガーソングライター、Thundercat(サンダーキャット)。04/03(Fri)にリリースされる待望のニュー・アルバム『It Is What It Is』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にリリースされたアルバム『Drunk』以来となる、およそ3年ぶりの新作となった本ニュー・アルバム『It Is What It Is』。これまでリリースした全アルバムを手がけた、Flying Lotus(フライング・ロータス)がトータル・プロデュースを手がけたほか、参加ミュージシャンには、Kamasi Washington(カマシ・ワシントン)、Brandon Coleman(ブランドン・コールマン)、Louis Cole(ルイス・コール)、Miguel Atwood-Ferguson(ミゲル・アトウッド・ファーガソン)、Dennis Hamm(デニス・ハム)といった旧知の仲間に、Steve Lacy(スティーヴ・レイシー)、BADBADNOTGOOD(バッドバッドノットグッド)、Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)などに加えて、70年代後半から80年代にかけて活躍したファンクバンド・Slave(スレイヴ)の元メンバー、Steve Arrington(スティーヴ・アーリントン)をフィーチャー。国内盤CDボーナス・トラックには、2017年に公開した代表曲「Show You The Way」以来ずっと親交が続いているという、Michael McDonald(マイケル・マクドナルド)を迎えた「Bye For Now」が収録されています。

今回のニュー・アルバムについて、Flying Lotus(フライング・ロータス)のツイートによれば、あちこちに点在していた約100曲のデモ素材を聴き、当初は全て楽しいパーティーソングで並べようと試みたものの、結果的には前作『Drunk』以降のモードや出来事をまとめた記録物(ジャーナル)となるアルバムを目指した模様。収録曲「Dragonball Durag」ではドラゴンボール・フリークならではのユーモラスさを込める一方、故Mac Miller(マック・ミラー)に捧げた「Fair Chance」では親友を失った悲しみを吐露(現在はドラッグをほとんど止めているとのこと)。アルバム・タイトルに、ある種の諦観を表したスラング「It is what it is」(そういうものさ)をつけているように、自分ではどうにもならない人生の浮き沈みをテーマにしたアルバムとなっています。

そして、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて延期となっていた来日ツアーの振替公演が、2021年1月に決定。日程変更による払戻しや前売チケット販売再開については、BEATINKオフィシャルサイトにでご確認を。



WONK / HEROISM

東京を拠点に活動しているエクスペリメンタル・ソウル・バンド、WONK。04/03(Fri)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年にリリースされたEP『Moon Dance』ならびにシングル「Signal」に次ぐ、今年初となる新作に。昨年には、恵比寿リキッドルームでのワンマン・ライブを含む全国5カ所を巡るツアーを開催したほか「人間交差点」「FFKT」「LOCAL GREEN FESTIVAL」など、全国各地のさまざまなフェス、イベントに出演。プロデュース・ワークとして、kiki vivi lily『vivid』や、香取慎吾『20200101』の収録曲「Metropolis」を手がけるほか、メンバーそれぞれ、Sweet William、SHE IS SUMMER、IO、bird、King Gnu、millennium parade、Naz、ISSUGI、唾奇などの楽曲に参加し、バンドリーダー・荒田洸とCharaによるコラボ・シングル「愛する時」も話題に。

またクリエイティブレーベル〈EPISTROPH〉として、同年9月に福岡で開催された都市型ミュージックフェス「ミュージックシティ天神」の一部ステージを担当するほか、セレクトショップ「H BEAUTY&YOUTH」でさまざまなクリエイターとコラボしたアパレルライン「EPI□」を展開するなど、多方面での活躍が続いています。

本ニュー・シングル「HEROISM」は、3DCGアーティスト・nagafujiriku(ナガフジリク)が制作したオーディオビジュアルが公開されており、今年にリリースを予定しているコンセント・アルバム(タイトル未定)の重要局面となるリード・シングルとのこと。長塚健斗のコメントによれば「SNS等の普及によりこれまで以上に自分が見たいものや聴きたいものに触れ易くなりました。しかしその反面、関心のない情報は排除され、表示されるのは好みに合いそうな「あなたへのオススメ」ばかり。都合の良い情報に囲まれた生活を送りがちな中、自分の価値観が知らぬ間に狭く凝り固まってきていることに恐怖を感じます。この曲の主人公同様、僕も今の情報社会のあり方に向き合いつつ、振り回されずに生きていかねばと強く思います。」と語っており、情報化社会がもたらす社会の分断に対峙していく様子を感じさせます。

そして以前から親交のあるレーベル〈origami PRODUCTIONS〉の取り組み「origami Home Sessions」を受けて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で当面の収益が見込めないアーティストに向けたプロジェクト「Small Things Project」を始動。2018年に公開した楽曲「Small Things」のパラデータ、ステムデータ、楽譜、動画を特設ページを通じて無償提供し、コラボおよび創作物への使用を許可するほか、発生した収益全てをアーティストの活動に還元するとのこと。プロジェクトの詳細ならびにガイドラインについては、特設ページでご確認を。



Yaeji / WHAT WE DREW 우리가 그려왔던

ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動しているシンガー / プロデューサー / DJ、Yaeji(イエジ)。04/02(Thu)にリリースされた待望のミックステープ『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2018年9月にリリースされたシングル「One More」以来となる、およそ1年6ヶ月ぶりの新作に。同年には、世界最大級の音楽フェスティバル「Coachella」に初出演するほか、Charli XCX(チャーリーXCX)とのコラボ楽曲「Focus (Yaeji Remix)」(2018年)「February 2017 (featuring Clairo and Yaeji)」(2019年)などに参加。2019年には、Robyn(ロビン)「Beach2k20 (Yaeji Remix)」を手がけるほか、欧米圏を中心に「Lollapalooza」「Parklife Festival」「Primavera Sound」などを含むフェスティバルに多数出演し、同年7月末に初出演した「FUJI ROCK FESTIVAL」では超満員のレッドマーキーを沸かしたことでも話題に。また、ブルックリンの巨大倉庫で自身がオーガナイズしたパーティー「Elancia」では、地元出身のアーティストやDJをフックアップするなど、ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンをサポートしています。

名門レーベル〈XL Recordings〉からの初リリースとなった、本ミックステープ『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』(私たちが描いてきたもの)では、「友人、家族、感謝と支え」を主なテーマとした全12曲が収録されており、全体を通して「私が支えられたり、私が支えたり、そしてお互いを支え合うということ」を表現。ブルックリンにある自身のスタジオで、韓国出身の両親の影響で愛聴していた80年代から90年代の韓国のインディーロックに加えて、90年代後半から2000年代初期にかけてのヒップホップ、R&Bなどのサウンドを取り入れながら、およそ2年の歳月をかけて制作。各収録曲では人生の一部を切り取ったさまざまなエピソードがモチーフとなっており、彼女の日記を見ているかのようなミックステープとなっています。

ゲストには、彼女のミキシングエンジニアの友人でブルックリン在住のラッパー・Nappy Nina、ロンドンを拠点にパートナー同士で活動しているアーティスト・Victoria Sinとプロデューサー・Shy Oneなど、ブルックリンのコミュニティーを通じて知り合った多くの友人が参加。なかでも、収録曲「Spell 주문」(おまじない)でフィーチャーしているDJ / シンガーソングライター・YonYon(BRIDGE)とは、かつて日本に1年間住んでいたときに知り合った中学の同級生。YonYonのツイートを通じて「都市に制圧され押し潰されそうになる時があっても、音楽は人々を繋ぐ魔法であり、私たちにとってとても大事なものであることを再確認するようなリリックとなっています。」とコメントしています。未聴のリスナーはぜひチェックを。



Shin Sakiura / Be

東京を拠点に活動しているプロデューサー / ギタリスト、Shin Sakiura。03/25(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『NOTE』が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2019年にリリースされた2ndアルバム『Dream』に次ぐ、3作目のアルバムに。同年には、Opus Innとのコラボ・シングル「Partner」を公開するほか、自身のワンマン・ライブや多方面でのライブサポートなど、都内を中心に全国で年間100本以上のライブを敢行。多忙なスケジュールのなか、ダンスチーム「シットキングス」への楽曲提供のほか、AFRO PARKER、Chuning Candy、原田知世、AATA、ジオラマラジオなどの楽曲リミックスを担当。プロデューサー / アレンジャーとして、先日リリースされた、iri『Sparkle』や、SIRUP『CIY』の収録曲を一部手がけたほか、showmore、ぷにぷに電機、chelmico、Kuro(TAMTAM)、みゆな、西恵利香、向井太一、Rude-α、MGF、おかもとえみ、などの楽曲を制作しており、多くのコラボが続いています。

本ニュー・アルバム『NOTE』には、すでにリード・シングルとして公開されている「Slide」「ほんとは」「このまま夢で」「More Life」「Everlasting」などを含む全11曲が収録されており、ゲストとして、maco marets、Kan Sano、AAAMYYY、Ryohuなどをフィーチャー。アルバム・タイトル「NOTE」について、先日から公開されているインタビューによれば、フィーチャリングした曲の比重が多いもののアルバムの軸はインスト曲であり、2019年の1年間のなかで感じたことやかっこいいと思ったものを曲として溜め続け、それらをひとまとめにしたという意味で「NOTE」というタイトルにしたことをコメント。声が好きで、現場で関わったことがり、シーンのなかで近いところにいる人にフィーチャリングのオファーをかけた結果、さまざまなコラボが実現した模様です。

そして、04/07(Tue)にアルバム・リリースを記念したスタジオライブの生配信実施が決定。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、本来予定していたリリース・ツアーを中止 / 延期したことにともなって急遽企画されたものであり、ツアーで披露予定だった、キーボード、ドラムを加えた3ピースのバンド編成に、VJによる映像演出を交えたライブが予定されています。さらなる詳細を確認のうえ、ぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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【トップ100・チャート】今週のピックアップ(03/29付)、Childish Gambino / tofubeats / Dua Lipa / 5lack

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Childish Gambino / Time

米カリフォルニア州出身の俳優 / プロデューサー / ミュージシャン、Donald Glover(ドナルド・グローヴァー)によるソロ・プロジェクト、Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)。03/22(Sun)にリリースされた待望のニュー・アルバム『3.15.20』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2016年にリリースされた4thアルバム『Awaken, My Love!』以来となる、およそ3年3か月ぶりの新作に。2017年には、次のアルバムをもって「Childish Gambino」名義の音楽活動から引退することを公言したことが大きな注目を集め、2018年には、現代社会の暴力、差別、混乱などを辛辣に描いたシングル「This Is America」を始め、2曲のシングル「Summertime Magic」「Feels Like Summer」を収録したEP『Summer Pack』をリリース。また、Donald Glover(ドナルド・グローヴァー)として、コメディードラマ・シリーズ「アトランタ」(2016年~)や、Rihanna(リアーナ)を迎えたミュージカル映画「Guava Island」(2019年)に出演およびプロデュースを手がけるほか、ディズニー映画「ライオン・キング」(2019年)のシンバ役の声優を担当。2019年は、世界最大級の音楽フェスティバル「Coachella」にヘッドライナーとして出演し、教会をイメージした圧巻のパフォーマンスで話題となりました。

そんななか、03/15(Sun)に突如公開されたウェブサイト「donaldgloverpresents.com」にて、サイト下部に設置されたテキストボックスと「This Is America」を彷彿とさせるアートワークとともに、約12時間にわたって音源をループ配信。配信終了後、同サイト上で開始された約1週間にわたるカウントダウンを経て、本ニュー・アルバム『3.15.20』がストリーミング配信リリースされました。

本ニュー・アルバム『3.15.20』は、全12トラックで構成された「Childish Gambino」名義と、全1トラック58分で構成された「Donald Glover Presents」名義の2つの名義でリリースされており、後者のアートフォームは、Prince(プリンス)の10thアルバム『Lovesexy』(1998年)を彷彿。収録曲について、2018年に開催された「This is America Tour」のチケット購入者にデモ音源として配布された楽曲の1つ「Algorhythm」に加えて、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)をフィーチャーした「Time」以外の全タイトルがタイム・スタンプになっており、21 Savage(21サヴェージ)、Kadhja Bonet(カディア・ボネイ)などをフィーチャーした「12.38」や、アルバム・バージョンとして収録された「42.26」(Feels Like Summer)などをコンパイル。プロデューサーは、長年のコラボレーター・Ludwig Göransson(ルドウィグ・ゴランソン)と、DJ Dahi(ダヒ)がメインに多くの収録曲を手がけています。

そしてカウントダウン終了直後には、Donald Glover(ドナルド・グローヴァー)自身が記したと思われる、本ニュー・アルバムにまつわるプロローグ文が公開(現在は非公開)。神託を受けたことで自らの視界が開けたことや、自身が見た夢を兄弟や恋人に語った様子などが記されており、なんらかのコンセプトが示唆されている模様。プロジェクトの全貌が明らかになっていないことから、今後の動きにさらなる注目が集まります。



tofubeats / SOMEBODY TORE MY P

神戸在住のトラックメイカー / DJ / プロデューサー・tofubeats。03/27(Fri)にリリースされた注目のミニ・アルバム『TBEP』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2018年10月にリリースされた4thアルバム『RUN』に次ぐ、およそ1年5ヶ月ぶりの新作に。2019年には、竹内まりや「Plastic Love」カバーや、濱口竜介監督作『寝ても覚めても』オリジナル・サウンドトラックを制作したほか、シングル「Keep on Lovin’ You」などをリリース。コラボ・ワークとして、土岐麻子、ものんくる、TENDRE、SUKISHA x kiki vivi lily、などのリミックスを手がけるほか、中島愛、大比良瑞希、CHEMISTRY、iri、夢眠ねむ、Sexy Zone、徳利などのアレンジ / プロデュースを幅広く担当。

また、2015年に設立した主宰レーベル〈HIHATT〉を通じて、自身のマネジメントおよび無名アーティストのフックアップを展開するなか、中古機材を使った音楽制作バラエティ「THREE THE HARDWARE」が話題に。8年ぶりの新作となった、dj newtown『WEST MEMBERS』(2019年)に加えて、レーベル初のリミックス集『HIHATT REMIXES』をリリースするなど、さまざまな活動が続いています。

本ミニ・アルバム『TBEP』は、シンガーソングライター・kiki vivi lilyがコーラス参加したリード・シングル「クラブ」や、初のインストシングル「SOMEBODY TORE MY P」を含む全7曲が収録されており、ボーナストラックとして、三井アウトレットパークのCM楽曲として制作された「Along the Coast」をコンパイル。オフィシャルサイトに公開されているセルフライナーノーツによれば、前作『FANTASY CLUB』『RUN』の流れを一旦断ち切り、キャリア初期から愛聴するもフォーカスすることが少なかったハウスに比重を置いて、自身のDJセットでプレイできるようなダンスミュージックを想定して制作した模様です。

そしてジャケット・アートワークは、これまでの自身の作品を多く手がけているグラフィックデザイナー・岩屋民穂(GraphersRock)、イラストレーター・山根慶丈が担当。先日からMV「SOMEBODY TORE MY P」「陰謀論」が公開されており、あわせてぜひチェックを。



Dua Lipa / Break My Heart

ロンドン出身のシンガーソングライター / モデル・Dua Lipa(デュア・リパ)。03/27(Fri)にリリースされたニュー・アルバム『Future Nostalgia』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にリリースされたデビュー・アルバム『Dua Lipa』以来となる、およそ2年9ヶ月ぶりの新作に。デビュー・アルバムの高評価を受けて、2018年にはイギリス最高峰の年間アワード「The BRIT Awards」で女性アーティスト初の5部門ノミネートを達成し(そのうち2部門を受賞)、同年にリリースした、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)とのコラボ・シングル「One Kiss」は、その年のイギリスにおける年間最大セールスを記録。また、 Mark Ronson(マーク・ロンソン)、Diplo(ディプロ)によるユニット・Silk City(シルク・シティ)のシングル「Electricity」にフィーチャーされたほか、2019年に上映された映画『アリータ:バトル・エンジェル』の主題歌としてシングル「Swan Song」をリリース。今年に入って公開された、BROCKHAMPTON(ブロックハンプトン)「Sugar (Remix)」に参加するなど、さまざまな活動が続いています。

本ニュー・アルバムには、リード・シングル「Don’t Start Now」「Future Nostalgia」「Physical」「Break My Heart」を含む全11曲が収録。2018年からソングライティングを開始しており、プレスリリースによれば、自らのコンフォートゾーンを抜け出して自分が好きなクラシック・ポップソングに寄り添いながら、新鮮でユニークな気分を味わえる新曲を作りたいと思っていたことをコメント。Gwen Stefani(グウェン・ステファニー)、Madonna(マドンナ)、Moloko(モロコ)、Blondie(ブロンディー)、Outkast(アウトキャスト)に加えて、Prince(プリンス)、No Doubt(ノー・ダウト)などからインスパイアされたことを明かしており、80年代からゼロ年代のディスコ・ポップが持つ懐かしさに現代のサウンドプロダクションをミックスさせ、モダンでレトロなダンスサウンドを目指した模様。ジェンダー格差の経験をもとに、同性へのエンパワーメントをテーマにしたアルバムとなっています。

そして先日から、MV「Don’t Start Now」「Future Nostalgia」「Physical」「Break My Heart」などを含む多くのビデオクリップが公開されており、未聴のリスナーはあわせてチェックを。



5lack, Maccho / 透明少女

東京・板橋区出身、福岡を拠点に活動しているラッパー / トラックメイカー・5lack。03/20(Fri)にリリースされた注目のニュー・アルバム『この景色も越へて』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年にリリースされた『KESHIKI』に次ぐ、およそ1年4ヶ月ぶりの新作に。2019年にリリースされた、AKANE、LISACHRIS、IO、JASMINE、Seiho、ISSUGI、小袋成彬などの楽曲にフィーチャーされたほか、自身が楽曲提供した「adidas Skateboarding x Evisen Skateboards」のコラボレートコレクションCMに出演。また、恵比寿リキッドルーム15周年を記念した前野健太との2マンライブに出演したほか、京都と板橋を巡るホール・ツアーを開催。さらに「5lack & Olive Oil」名義として、2018年にリリースしたコラボ・アルバム『5O2』のストリーミング配信が解禁されるなど、さまざまな活動が続いています。

前作『KESHIKI』の続編的作品としてリリースされた、本ニュー・アルバム『この景色も越へて』。リード・シングル「Grind the Brain」や、adidas Originals『DISCOVER』のキャンペーンソングとして公開された「フレンズ」など、全てセルフプロデュースによる全9曲が収録。仙人掌をフィーチャーしたオープナー・トラック「Who Said it」に加えて、ラスト・トラック「透明少女」では、Maccho(OZROSAURUS)をフィーチャーしており、キャリアハイを越えるニュー・アルバムとなっています。

そして今年8月に東京・エスフォルタアリーナ八王子で開催予定のライブイベント「TBSラジオ主催 夏の魔物2020 in TOKYO」への出演が決定。すでに「夏の魔物」オフィシャルサイトで各種先行チケットが販売開始しており、気になるリスナーはあわせてチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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