【トップ100・チャート】今週のピックアップ(02/24付)、Grimes / BIM / The Avalanches / gummyboy

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Grimes / You’ll miss me when I’m not around

カナダ・バンクーバー出身のシンガーソングライター / プロデューサー・Claire Elise Boucher(クレア・エリーゼ・ブーシェ)によるソロ・プロジェクト、Grimes(グライムス)。02/21(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『Miss Anthropocene』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2015年に多くのアルバム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた『Art Angels』以来となる、およそ4年3ヶ月ぶりの新作に。2018年の時点で、マネジメント関係の悪化によって所属レーベル〈4AD〉からリリースされる最後のアルバム(本作『Miss Anthropocene』)と、独立後にリリース予定の「純粋な暗闇とカオス」をテーマにしたアルバムの計2作品をレコーディング。期間を設けて発表予定であることをコメントしていました。

また同年には、Janelle Monáe(ジャネール・モネイ)「Pynk」を筆頭に、Poppy(ポピー)「Play Destroy」、Bring Me the Horizo​​n(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)「Nihilist Blues」などでフィーチャー。プライベートでは、2018年ごろから実業家・Elon Musk(イーロン・マスク)との交際が取り沙汰され、2020年1月にはSNSを通じて第一子妊娠を発表するなど、テン年代を象徴するアーティストの1人として大きな注目を集めています。

通算5枚目となる本ニュー・アルバム『Miss Anthropocene』は、人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった新たな地質時代を指す「人新世(Anthropocene)」から由来しており、「気候変動を擬人化した美しい女神であり、宇宙から世界の終わりを楽しんでいるサイケデリックな悪魔(=Miss Anthropocene)」を表現したコンセプト・アルバムとのこと。

各収録曲では、人類と気候変動の暴力的な関係を地球視点からのラブソングに落とし込んだ「Violence」や、人工知能を用いたプロパガンダで潜在的な信仰を広げていく少女楽団(北朝鮮の音楽ユニット「牡丹峰楽団」からのインスパイア)を歌った「We Appreciate Power」、オピオイド危機によって友人やLil Peep(リル・ピープ)を失った絶望を書いた「Delete Forever」など、さまざまな差し迫った状況を曲として擬人化。どこか後ろめたい印象を持つ気候変動というテーマをキャラクター化することで、美少女戦士セーラームーンに登場する「クイン・ベリル」のような親しみのある悪役として、多くの人たちに捉えられるよう制作した模様です。未聴のリスナーはぜひチェックを。



BIM / Runnin’ feat. kZm, SIRUP

川崎市高津区出身で、ヒップホップ・ユニット「THE OTOGIBANASHI’S」や、クリエイティブ・チーム〈CreativeDrugStore〉の中心人物としても知られるラッパー / ビートメイカー、BIM。02/12(Wed)にリリースされた注目のニュー・EP『NOT BUSY』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2018年に1stソロ・アルバム『The Beam』をリリースしたのち、2019年に開催した初のワンマン・ライブ「Magical Resort」が東京・大阪ともにソールドアウトを記録し、VaVaが開催した『VVORLD』リリース・ツアーにゲスト参加するなど、各方面から高い人気を集めている、BIM。その後、STUTSがプロデュースを手がけたシングル「Veranda」をリリースしたほか、STUTS、RYO-Z(RIP SLYME)とのコラボ・シングル「マジックアワー」や、SIRUP「Slow Dance feat. BIM」に加えて、プライベートで親交の深い藤井健太郎とのインタビューも話題に。さらに、木村カエラが今年3月にリリースするミニ・アルバム『ZIG ZAG』のタイトル・トラックにフィーチャーされるなど、さまざまな共演が続いています。

忙しくはない、けど暇ではない。」を世界観に持つ、本ニュー・EP『NOT BUSY』。kZm、SIRUP、Bose(スチャダラパー)などがゲスト参加した全6曲が収録されており、前作『The Beam』から引き続き、ドイツ出身のプロデューサー・Rascal(ラスカル)が全作曲、エンジニア・illicit tsuboiがミキシングを担当。さらに、BIMの地元と思われる溝の口駅にあるペデストリアンデッキ「キラリデッキ」が歌われている収録曲「KIRARI Deck」には、G.RINAがコーラスとして参加しています。

そして先日から、ODDJOBが制作を務めた「Wink」「Runnin’ feat. kZm,SIRUP」「Yammy, I got it」「KIRARI Deck」のオフィシャル・オーディオが公開されており(02/24時点)、キャラクターデザイン:シャシャミン、アニメーション:Takeru Shibuya、背景デザイン:富田凪が担当。今年3月からは全国5都市を巡るワンマン・ツアー「NOT BUSY 2020」が予定されており、あわせてぜひチェックを。



The Avalanches / We Will Always Love You (feat. Blood Orange)

オーストラリア・メルボルン出身のグループ、The Avalanches(アヴァランチーズ)。02/20(Thu)にリリースされた待望のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

膨大なサンプリング・ソースから極上のサウンド・コラージュを生み出すグループとして広く知られ、およそ3,500枚以上のレコードから900曲以上の曲をサンプリングして完成された、2000年のデビュー・アルバム『Since I Left You』は、ゼロ年代を代表する金字塔の1つに。2016年には、当時16年ぶりの新作として2ndアルバム『Wildflower』がリリースされたことでも大きな話題となりました。

一方で、メンバーの1人である、Robbie Chater(ロビー・チャター)が長期間に渡って自己免疫性疾患に悩まされたほか、サンプリングのクリアランスに数年間かかっていたことから、作品制作に長い期間を要することでも知られるように。そんななか、2017年にオーストラリアのラジオ局「FBI Radio」で公開されたインタビューを通じて、ニュー・アルバムのレコーディングに取りかかっていることを公言。2019年3月ごろから米ハリウッドにある世界有数のスタジオ「Sunset Sound Recorders」でのレコーディング風景を、自身のフェイスブックに複数ポストするなか、同年11月にはニュー・アルバムがほぼ完成したことをアナウンス。リスナーのあいだで「2032年がやってきた!」と予想を超えるリリースペースに期待が高まっている模様です。

本ニュー・シングルには、英イーストロンドン出身のプロデューサー・Dev Hynes(デヴ・ハインズ)によるソロ・プロジェクト、Blood Orange(ブラッド・オレンジ)をフィーチャー。トラックには、Smokey Robinson & The Miracles(スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ)「I’ll Take You Any Way That You Come」と、The Roches(ローチェス)「Hammond Song」がサンプリングされており、インスタグラムの投稿によれば、The Roches(ローチェス)のサンプリング音源は、野村訓市と一緒に集めたもののようです。

そしてニュー・アルバムには、Leon Bridges(リオン・ブリッジズ)、JPEGMAFIA(ジェイペグマフィア)、Dhani Harrison(ダーニ・ハリスン)、Cornelius(コーネリアス)、Naeem Juwan(ナイーム・ジュワン)、Jennifer Herrema(ジェニファー・ヘレマ)などを始め、多くのミュージシャンの参加が予期されており、今後のアナウンスに引き続き注目が集まります。



gummyboy / thinking?

東京都杉並区出身のラッパーで、ヒップホップ・クルー「Mall Boyz」のメンバーとしても知られる、gummyboy。02/19(Wed)にリリースされた注目のミックステープ『The World of Tiffany』の収録曲が、チャートにランクインされました。

中学2年生のころから、Eminem(エミネム)や90’sヒップホップを数多く愛聴し、2017年に同じ大学に通っていたラッパー・Tohjiからの影響でラップを始めるように。2018年に、Tohji、東京を拠点に活動するDJ / プロデューサー・stei、アートディレクター・Sahashiなど、さまざまなクリエイターとともに「Mall Boyz」を結成し、ショッピングモールをルーツに持つ(フッドを持たない)ヒップホップ・クルーとして、同年末にリリースした1st EP『MALL TAPE』が大きな話題に。また同年に公開したソロ・EP『SKLTN』『Ultimate Nerd Gang』を経て、2019年にソロ・EP『pearl drop』をリリース。DJ CHARI、Masayoshi Iimori、wood pure luvheartなどの楽曲にも参加し、ソロ活動が活発化するなかでの注目のリリースとなりました。

キャリア初となるミックステープ『The World of Tiffany』には、2020年に入って公開されたリード・シングル「f***in’ boy」「thinking?」を含む全9曲が収録。クリエイティブ・プロデューサーとして、Keiichi Toyama(CANTEEN)が参加しており、gummyboy本人のツイートによれば「”The World of Tiffany”はいろんなときにいろんなところで正直な気持ち込めて作った。」(一部抜粋)とコメントしています。

そして先日から、MV「f***in’ boy」「thinking?」が公開されているほか、本ミックステープのカバー・アートワークならびに新しいアーティスト写真は、写真家・Ryo Yoshiyaが担当しています。あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

Link:
TYPICA TOP100
TYPICA TOP100(グローバル)