【トップ100・チャート】今週のピックアップ(05/17付)、Charli XCX / 宇多田ヒカル / Hayley Williams / mei ehara

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Charli XCX / enemy

英エセックス州出身、米カリフォルニア州を拠点に活動しているポップ・アイコン、Charli XCX(チャーリー・エックス・シー・エックス)。05/15(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『how i’m feeling now』の収録曲が、チャートにランクインされました。

2019年9月にリリースされた3rdアルバム『Charli』に次ぐ、およそ8ヶ月ぶりの新作となった本ニュー・アルバム。昨年11月の時点で、2020年に最低でもニュー・アルバムを2枚制作したい旨をツイートで明かしていたなか、今年4月に行なったファンとのZoom配信を通じて、新型コロナウィルスのパンデミックによる自己隔離期間を利用して、ニュー・アルバムの制作をゼロから取り組むことをアナウンス。手元にあるツールを用いて、全ての楽曲、アートワーク、ビデオなどを制作することを基本として、制作途中のデモ音源、アートワークのモチーフ写真、テキストの会話などを、ファンに向けてオンラインで共有し意見交換を交わしながら進めるという、プロジェクト全体をオープンにしたDIYプロセスが、当初から大きな話題となっていました。

本ニュー・アルバム『how i’m feeling now』は、リード・シングル「forever」「claws」「i final understand」「enemy」のほか、2017年のミックステープ『Pop 2』リリース・パーティーで披露していた未公開曲「​party 4 u」を含む、全11曲が収録。エグゼクティブ・プロデューサーとして、A. G. Cook(エー・ジー・クック)、BJ Burton(BJ・バートン)が加わっているほか、Dijon(ディジョン)、Palmistry(パーミストリー)、Danny L Harle(ダニー・L・ハール)、Dylan Brady(ディラン・ブレディ)などが参加しています。

なかでも、各リード・シングルのアートワークは、自身のSNSアカウントにアップした複数の写真をファンからのコメントで1枚に絞り込むと、それを基にデザインされた、さまざまなアーティストやデザイナーのクリエイティブ案から決定。さらに現在公開されているMV「forever」は、世界中のファンから送られてきた膨大なビデオクリップを1本にコラージュして完成させているほか、米ロサンゼルスを拠点とするフォトグラファー・Charlotte Rutherford(シャーロット・ラザフォード)がリモートでディレクションしたMV「claws」では、自宅のグリーンバックにさまざまなエフェクトを合成しながら、現在おなじ家で隔離期間を過ごしているというボーイフレンド、Huck Kwong(ハック・クウォン)と共演しています。

また先日には、100 gecs(ワン・ハンドレッド・ゲックス)が主催した、サンドボックス・ビデオゲーム「マインクラフト」内のバーチャル音楽フェス「Square Garden」に、ヘッドライナーとして出演したパフォーマンスも話題に。Cashmere Cat(カシミア・キャット)、Benny Blanco(ベニー・ブランコ)、Kero Kero Bonito(ケロ・ケロ・ボニト)なども出演しており、未聴のリスナーはあわせてぜひチェックを。



宇多田ヒカル / Time

ロンドンを拠点に活動しているシンガーソングライター、宇多田ヒカル。05/08(Fri)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年1月にリリースされたシングル『Face My Fears』以来となる、およそ1年4ヶ月ぶりの新作に。同年には、2018年に開催した当時12年ぶりの国内ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」のライブ映像が、フィジカルおよびNetflixをはじめとする各種配信サービスから発表。その後リリースされた、井上陽水のデビュー50周年を記念したアルバム『井上陽水トリビュート』に参加し「少年時代」をカバーしたほか、椎名林檎にとって初のオールタイム・ベストアルバム『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』の収録曲「浪漫と算盤 LDN ver.」に参加(アザー・バージョン「浪漫と算盤 TYO ver.」も公開)。さらに今年の正月に放送された、TBSテレビ系「マツコの知らない世界SP」に出演し、2010年ごろから写真に撮り続けているという「落とし物の世界」について語っていました。

本ニュー・シングル「Time」は、作詞作曲を宇多田、共同プロデューサーとして同じくロンドンを拠点に活動している、小袋成彬を迎えて制作した1曲。現在放送されている日本テレビ系ドラマ「美食探偵 明智五郎」の主題歌としてもオンエアされており、東村アキコによる同名原作を読んだうえで書き下ろしたとのこと。またリリースを記念して、本ニュー・シングルの特設歌詞サイトがオープンしており、宇多田ヒカル本人による英語詞が公開されているほか、歌詞のパートごとにリスナーが投稿した多くの感想が閲覧できるようになっています。

そして、宇多田ヒカルの公式インスタグラムアカウントから生配信する特別企画「自宅隔離中のヒカルパイセンに聞け!」が、5月限定で毎週日曜19時半~20時ごろに実施。さらに、05/29(Fri)には次なるニュー・シングル「誰にも言わない」の配信リリースが予定されています。あわせてぜひチェックを。



Hayley Williams / Pure Love

ロックバンド・Paramore(パラモア)のフロントマンとして知られるシンガーソングライター、Hayley Williams(ヘイリー・ウィリアムス)。05/08(Fri)にリリースされた1stソロ・アルバム『Petals for Armor』の収録曲が、チャートにランクインされました。

バンド名義として、2017年にリリースされ高評価を得たアルバム『After Laughter』から、彼女にとって3年ぶりの新作となった本ニュー・アルバム。インタビューによれば、2018年に行なったバンドのツアー後、セラピーを集中的に受けていたほど彼女自身がメンタルヘルスの問題に悩まされていたことを語っており、2019年の時点で、バンドの今後の活動が未定でありメンバーが休息期間に入っていることを公言。その後、自身のツイートを通じて「最も近しい友人たちの力を借りて自分自身のものと呼べるものを作った。」(一部抜粋)と述べ、2020年にソロ・プロジェクトのリリースを明かしたことで大きな話題となりました。

今年1月から3曲のリード・シングル「Simmer」「Leave It Alone」「Cinnamon」を連続リリース。2月には、ソロ・アルバムの第1章を構成するEP「Petals for Armor I」をリリースし、4月に第2章となるEP『Petals for Armor II』を、アルバムのリリース前日には第3章となるEP『Petals for Armor III』が続けて公開されました。ソロ・アルバムを3部構成のEPとして先行公開した背景について、本人いわく「今回のアルバムにはたくさんのテーマがあるから、テーマごとに分けるのがベストかなと思った。次の曲へとぐんぐん進む前に、みんなに曲を楽しんでもらおうと思ってね。」とコメントしており、彼女が歩んできた道のりを見せた作品になっている模様です。

本ソロ・アルバム『Petals for Armor』は、これまで公開した3枚のEPをコンパイルした全15曲が収録されており、プロデューサーとして、Paramore(パラモア)のメンバーである、Taylor York(テイラー・ヨーク)が担当。ミックスおよびマスタリングは、アルバム『After Laughter』(2017年)を担当した、Dave Cooley(デイブ・クーリー)、Carlos de la Garza(カルロス・デ・ラ・ガルサ)がそれぞれ手がけており、収録曲「Roses/Lotus/Violet/Iris」のコーラスには、boygenius(ボーイジーニアス)のメンバー3人、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)、Lucy Dacus(ルーシー・ダカス)が参加しています。

またアルバム・タイトル『Petals for Armor』は、収録曲「Simmer」のリリックの一節から由来しており、インタビューによれば、かつて彼女が頭蓋仙骨療法(頭蓋骨と仙骨を調整することで脳脊髄液などの巡りをよくする療法)の施術を受けた際に、自分のなかから痛々しく、グロテスクに花が咲くという不思議なイメージが思い浮び、たくさんの何かが痛みを伴うほどに懸命に育まれようとしていると思ったとのことです。多くのMVも公開されており、あわせてぜひチェックを。



mei ehara / 歌の中で

愛知県出身、東京を拠点に活動しているミュージシャン、mei ehara。05/13(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『Ampersands』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2017年にリリースした1stアルバム『Sway』以来となる、およそ2年半ぶりの新作に。2018年には、所属レーベル〈カクバリズム〉との自主企画イベント「カンバセイション」(渋谷WWW)を開催したほか、同年には「FUJI ROCK FESTIVAL 2018」へ初出演することに。2019年に入ると、7インチ・シングルとして先行発売していた「最初の日は/午後には残って」の配信リリースをしたほか、宅録音源シリーズ「HOME DEMOS」の第一弾となる作品『私をしも』をカセットならびにデジタル配信で発表。

また、アーティストの宣材写真の撮影や、ロゴ、グッズ、CD / レコードのデザインなどを手がけるほか、文筆家としても活動。2017年に創刊した文藝誌「」を主宰しており、2018年に発表した第二号では、エッセイ、短編小説、詩、写真・絵画作品などの多様な作品に加えて、自身の短編小説「土鳩」も掲載されています。加えて、王舟、藤森純(The Buffettment Group , 東京スプラウト法律事務所)とともに、ミュージシャンへのインタビュー・プロジェクト「DONCAMATIQ(ドンカマティック)」をスタートさせています。

本ニュー・アルバム『Ampersands』は、2019年に発表した楽曲「最初の日は」「不確か」やリード・シングル「昼間から夜」に加えて、何年も前に作ったという楽曲「ギャンブル」などを新録した全10曲が収録。バンドメンバーとして参加した、鳥居真道(Gt / トリプルファイヤー)、Coff(Ba /ex. どついたるねん)、浜公氣(Dr / どついたるねん)、沼澤成毅(Key / ODOLA)とともに制作したセルフ・プロデュース作となっており、エンジニアリングを田中章義、一部コーラスを内藤彩が担当しているほか、ジャケット・アートワークはニューヨークを拠点とするアーティスト、James Ulmer(ジェームス・アーマー)の書き下ろしイラストとなっています。

さらに、アルバム・タイトル『Ampersands」について、オフィシャル・インタビューによれば、ここ数年に起きたさまざまな人間関係の変化を受けて、人との関係性をテーマとした曲作りを進めたことを明かしており、自分「と」人を接続する意味としての「&(アンパサンド)」が由来となった模様。さらに先日から、自身がパーソナリティを務めるネットラジオ「Radio あんぱさんど」が配信開始しており、あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

Link:
TYPICA TOP100
TYPICA TOP100(グローバル)