【トップ100・チャート】今週のピックアップ(06/14付)、Meek Mill / 星野源 / Hinds / YOHLU

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Meek Mill / Otherside Of America

米ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のラッパー、Meek Mill(ミーク・ミル)。06/05(Fri)にリリースされたニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

05/25(Mon)に発生したジョージ・フロイド氏の暴行死事件を発端に、国際的に再燃している抗議活動「Black Lives Matter(ブラック・ライヴス・マター / 黒人の命も大切だ )」の最中にリリースされた、本ニュー・シングル「Otherside Of America」。2019年からAmazon Primeで独占配信されているドキュメンタリー「#FreeMeek」でも語られているように、Meek Mill(ミーク・ミル)自身、2007年ごろ(当時19歳)に銃器と薬物所持などの微罪容疑で警察官から暴力的に逮捕されたことをきっかけに、裁判所からの過度な取り締まりによって10年以上もの保護観察期間を受けていたことでも知られており、違反が言い渡されるたびに合計3度も拘留されるなど、2019年8月に全ての容疑が取り下げられるまで裁判が続きました(2018年には司法制度改革を進めるための財団法人「Reform Alliance」を設立)。

リリックでは、ゲットーで経験した過酷な状況を語っているほか、アフリカ系アメリカ人である自分自身や仲間に対して、警察、弁護士、刑務所ですら守ってくれないことへの怒りを、孤独で最悪な状況(逆側のアメリカ)にいる視点から主張。イントロでは、ドナルド・トランプ米大統領が行なったスピーチの一節「(この国に住むアフリカ系アメリカ人全員に問いたい。)あなたたちに失うものなんてないでしょう?貧困地域に住んで、学校も良くないし、仕事にも就けない。黒人の若者の58%は無職だってのに、これ以上なにを失わなければならないんだ?」をサンプリング。それに対するアンサーとして、幼いころに両親を亡くしたことで殺し屋たちの手下となって金を稼ぎながら生死と隣り合わせの毎日を過ごしたことを明かしつつ、ラッパーとして成功したあとも仲間たちが次々と殺されていくこの状況を抜け出すために、現在も戦い続けていることを訴えています。

アウトロでは、2018年にCNNの人気番組「スマーコニッシュ」に出演した際のインタビューが一部サンプリングされており「わたしたちは殺人に囲まれ、殺人を目の当たりにする酷すぎる環境で育った。1週間で7人も死ぬんだ、そんな状況ならあなただって銃を持ち歩くでしょう?」という、Meek Mill(ミーク・ミル)が代弁する声なき若者たちの声を受けて、番組司会者の「ああ、わたしもきっとそうするでしょう。」という返答で締められています。あわせて注目を。



星野源 / うちで踊ろう (Potluck Mix)

国内外で幅広い人気を誇るミュージシャン / 俳優 / 文筆家、星野源。06/12(Fri)に配信リリースされた楽曲が、チャートにランクインされました。

新型コロナウイルス感染拡大によって外出自粛の要請が出されていた当時、04/03(Fri)に「家でじっとしていたらこんな曲ができました」「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」というコメントを添えて、弾き語り動画として発表された「うちで踊ろう」。さまざまなフォロワーがボーカル、楽器、ダンス、動画などでコラボレーションした様子をSNSにアップしたことで、ハッシュタグ「#うちで踊ろう」が世界中に拡散され、インスタグラムだけで約7万3千ポスト(06/14現在)を超えるほど、大きな社会現象へと発展することに。家だけでなく、職場や電車のなかにいる人でも「心の内(うち)側」で踊れるよう、何も考えなくてもいい楽しい時間(空間)を作りたいという思いとともにハッシュタグが広がり続けるなか、新たなコラボレーション楽曲が公開されました。

本楽曲「うちで踊ろう (Potluck Mix)」は、星野のライブバンドメンバーである、河村”カースケ”智康(Dr)、ハマ・オカモト(Ba)、武嶋聡(Flute, Clarinet)が投稿した「#うちで踊ろう」コラボ動画の該当パートを抽出し、長岡亮介(Gt, Cho)、石橋英子(Cho)、櫻田泰啓(Key)に星野の再録ボーカルを加えて、レコーディングエンジニア・渡辺省二郎がミックスしたもの。05/25(Mon)にNHK総合で放送された音楽トーク番組「おげんさんと(ほぼ)いっしょ」で、おげんさんファミリーとともに上記メンバーが参加したバージョンが披露されたのち、05/29(Fri)には星野のインスタグラム・アカウントで「Potluck Mix」バージョンとして公開。05/31(Sun)からは特設サイトより無料配信が開始されています。なお「Potluck(ポットラック)」とは「持ち寄り」を意味する英単語であり、各ライブバンドメンバーが集まって演奏を持ち寄っているかのような、軽快な聴き心地となっています。

そして、ニッポン放送「星野源のオールナイトニッポン(ANN)」(06/09放送回)にて、綾野剛とのW主演を務めるTBS系連続ドラマ『MIU404』(毎週金曜 後10:00)が撮影再開したことや、06/26(Fri)に初回放送を迎えることを報告。TBS系連続ドラマ「アンナチュラル」以来となる、脚本・野木亜紀子、監督・新井順子、原あゆ子の再タッグが実現することからも、ひきつづき多くの注目が集まります。



Hinds / Burn

スペイン・マドリード出身のインディーロック・バンド、Hinds(ハインズ)。06/05(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『The Prettiest Curse』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年4月にリリースされた2ndアルバム『I Don’t Run』以来となる、およそ2年2ヶ月ぶりの新作に。同年には、2度目の来日となる「FUJI ROCK FESTIVAL’18」への出演に続き、東京大阪を巡るリリース・ツアーを行なったほか、シングル『British Mind』を公開。2019年は、スペインで開催されたフェスティバル「Tomavistas 2019」「Boaty Weekend 2019」「Fest Ciutat 2019」などに多数出演したほか、ファッション・マガジン「VOGUE SPAIN」ではバンドのフォトグラフが掲載。また、ロサンゼルスでワンマン・ライブを行なったほか、ニューヨークではDJセットおよび、The Strokes(ザ・ストロークス)が開催したカウンドタウン・ライブに、Mac DeMarco(マック・デマルコ)とともにサポート・アクトを務めるなど、ボーダーレスな活躍が続いています。

そんななか、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、およそ2ヶ月のリリース延期を経て公開された本ニュー・アルバム『The Prettiest Curse』。リード・シングル「Good Bad Times」「Riding Solo」「Just Like Kids (Miau)」を含む全10曲が収録されており、プロデューサーとして、Jennifer Decilveo(ジェニファー・デシルヴェオ)が参加しています。インタビューによれば、ツアー中に制作した前作『I Don’t Run』とは異なり、ゆっくりと時間をかけてレコーディングしたことを語っており、2019年に訪れたという、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク(ブルックリン)で進められたとのこと。なかでも、スペインのバラード・ロマンスを歌ったという収録曲「Come Back and Love Me」のリリックの一節は、意外にもキャリア初となる、母国語であるスペイン語が用いられています。

そして、3月中旬から続いているマドリードでのロックダウン期間中には、各メンバーの自宅からFaceTimeを繋いで行なった「Good Bad Times」「New for You」「Come Back and Love Me」のセッション・パフォーマンスを公開。さらに、アルバムのリリース・ツアー延期を受けて新たに企画された、世界各国にあるインディレコード・ショップのSNSアカウントを通じて収録曲をパフォーマンスする「Virtual Indie records store in-store」が展開されており、日本からは「FLAKE RECORDS」(大阪)のインスタグラム・アカウントにて「Boy」のアコースティック・セッションが公開されています。あわせてぜひチェックを。



YOHLU / FLIGHT LIGHT – Prod.Peach Boi

福岡を拠点に活動しているフューチャー・ソウル・ユニット、YOHLU。06/03(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

2018年に結成され、メンバーそれぞれがフォトグラファー、コンポーザー、ビートメイカーとしても活躍する、KENTO(Vo)、ZMI(Trackmaker)、BOKEH(Trackmaker)の3名で構成された、YOHLU。ソウル、R&B、ヒップホップなどに影響を受けながら、2019年にかけてシングル6曲をリリース。同年には、goe(Ba)、Ryujin(Dr)を迎えたバンド編成で、ユニット初となるライブ・パフォーマンスを韓国・ソウルで行なったほか、福岡を拠点とするクリエイティブ・クルー〈BOAT〉の中核として、恵比寿Baticaで開かれたクルー主催のパーティーでもライブを披露。また、メンバーのバックグラウンドを生かしてアートワークやMVを自主制作しているほか、ZMIのソロ・ワークとして、SHE LOVES THAT「free me sun」をリリースし、New oil deals「夜はレコードのようにREMIX feat.ZMI」に参加するなど、メンバー個人でもさまざまな活動が続いています。

そんななか、06/10(Wed)にはユニット初となるEP『YET YONDER YEARNING』がリリース。結成当初から発表している全シングル「SKIRT」「SEASON」「SHEEP」「KNOWU」「SONIC」「&I」の6曲が収録されており、クリエイティブ・クルー〈BOAT〉の新メンバーである、Osamu Fukuzawa(Key)が手がけた「SHEEP(REMIX)」も、CD特典としてコンパイルされています。加えて、EP『YET YONDER YEARNING』未収録であるニュー・シングル「FLIGHT LIGHT」は、関口シンゴ(Ovall)との共作曲であり、名古屋出身のトラックメイカー・Peach Boiがプロデュース。goe(Ba)が参加しているほか、諏訪内 保(Wax Alchemy)がマスタリングを担当しています。

そして先日から公開されているMV「FLIGHT LIGHT」は、フォトグラファーとしても活動している、BOKEHKENTOが撮影した福岡の街中写真をベースに、福岡在住のイラストレーター・イケダケンタルーが手がけたアニメーションが合成。さらに、07/08(Wed)にリリースされるクリエイティブ・クルー〈BOAT〉のミックステープ『電影港湾地区』には、JR九州のCM楽曲に使用された、ari「雨上がり」のカバーに加えて、ZMI「don’t worry my baby(BOATCUT)」などが収録予定になっているとのこと。あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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