【トップ100・チャート】今週のピックアップ(06/21付)、Teyana Taylor / m-flo, chelmico / Anderson .Paak / Rin音

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Teyana Taylor / Boomin (feat. Missy Elliott & Future)

米ニューヨーク州ハーレム地区出身のシンガーソングライター / 女優 / ダンサー、Teyana Taylor(テヤナ・テイラー)。06/19(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『The Album』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年にリリースされた2ndアルバム『K.T.S.E.』以来となる、およそ2年ぶりの新作に。当時、Kanye West(カニエ・ウェスト)プロデュース作として話題となった『K.T.S.E.』について、その後に公開されたインタビューによれば、クリアランスの影響によって不完全なままリリースされたことに不満を感じていたことや、デラックス・バージョンとして再リリースするプランがあったことなどをコメント(のちにプラン自体のキャンセルを発表)。同時に「自ら行なうこと全てに110%の説明責任を取る」という妥協のないビジョンのもと、ニュー・アルバム制作に取り組んでいることを明かしており、2018年から「How You Want It?」「Morning」「We Got Love」を含む、計6曲のリード・シングルを公開していました。

さらに、2019年には、地元・ハーレムで子供への教育支援を行なう、NPO法人施設「The Dunlevy Milbank Center(ダンレヴィー・ミルバンク・センター)」で行われた、マクドナルド主宰のチャリティライブ「Beat of My City」で、凱旋パフォーマンスを披露。加えて、ニューヨークで開催された「Red Bull Music Festival New York」において、プロダクション・カンパニー「The Aunties」を共同設立したクリエイティブ・パートナー、Courtney “Coco” Gilbert(コートニー・“ココ” ・ギルバート)とともに、多くのダンサーを率いたライブ・ショー『House of Petunia』をプロデュースならびに出演するなど、多岐にわたる活動が続いていました。

そんななか、2019年12月からのリリース延期を経て、06/19(Fri)の黒人奴隷解放記念日(ジューンティーンス)に公開された、本ニュー・アルバム『The Album』。ゲストとして、 Big Sean(ビッグ・ショーン)、Erykah Badu(エリカ・バドゥ)、Kehlani(ケラーニ)、Lauryn Hill(ローリン・ヒル)、Future(フューチャー)、Rick Ross(リック・ロス)、Quavo(クエイヴォ)、Missy Elliot(ミッシー・エリオット)に加えて、NBA選手かつ夫である、Iman Shumpert(イマン・シャンパート)や娘などをフィーチャーしており、アルバム全体を、スタジオ「A(ラブソング)」「L(セクシュアリティ)」「B(自尊心)」「U(脆弱性)」「M(勝利)」の5セクションで構成した、全23曲が収録されています。

ニュー・アルバムのテーマについて、すでに公開されているインタビューによれば、彼女自身や友人たちが身の回りで経験した出来事からインスパイアされていることや、現在のハッピーな生活、人生の苦労、世界で起こっている現実などを描いている、とコメント。アルバム・リリース直前に公開したMV「Wake Up Love」を通じて第二子妊娠を発表したことも話題となっており、未聴のリスナーはあわせてチェックを。



m-flo, chelmico / RUN AWAYS

VERBAL(MC)、☆Taku(DJ, Trackmaker)、LISA(Vo)によるプロデュース・ユニット、m-flo。06/12(Fri)にリリースされた注目のコラボ・シングルが、チャートにランクインされました。

今年3月にリリースし、Sik-K、eill、向井太一をフィーチャーしたシングル「tell me tell me」に次ぐ3ヶ月ぶりの新曲であり、約12年ぶりに再始動した「“loves”プロジェクト」第2弾として発表された、本コラボ・シングル「RUN AWAYS」。今回は、Rachel、Mamikoからなるラップ・ユニット、chelmicoを迎えており、LISA、VERBALを加えた4人のマイク・リレーが実現。コラボの背景について、06/12(Fri)に生配信された『m-flo「mortal portal radio」LIVE!!! ♡ chelmico “RUN AWAYS” リリーススペシャル!!!』によれば、以前からフェス、イベント、テレビ番組などの現場で交流が生まれ、お互いにリスペクトし合っていたことや、楽曲制作のディスカッション当初では、曲調をアッパー系にするかしっとり系にするか模索していたことなども明かしていました。

☆Taku Takahashiが制作したトラックでは、ボイスパーカッションから始まり、緩急をつけたドラムンベースやアップテンポな4つ打ちなど、多彩なリズム・チェンジが展開。各バースのリリックには、4人それぞれのキャラクターが反映されているほか(LISAのバースはVERBALが作詞)、先日公開されたインタビューによれば、フックの「BAIL!」には、この現状から明るく理想的な未来に駆け出そう(エスケープしていこう)という意味が込められているとのことです。

また、メンバー5人が宇宙飛行士に扮したイラストが描かれたジャケット・アートワークは、m-floが不定期生配信しているポッドキャスト番組「モータルポータルラジオ」のキャラと、人気コミック「とんかつDJアゲ太郎」の作者・小山ゆうじろうが書き下ろしたchelmicoのキャラがコラボしています。

そしてリリース当日には、ごく少数のスタッフと最低限の撮影機材のみ準備して“3密”を避けながら撮影したという「m-flo loves chelmico RUN AWAYS コラボムービー」が公開。加えて、06/19(Fri)からMVも公開されており、ジャケット・アートワークで描かれている両キャラが、映画「2001年宇宙の旅」に登場するモノリスに導かれながら、とあるミッションに挑んでいくロードムービーとなっています。あわせてぜひチェックを。



Anderson .Paak / Lockdown

米カリフォルニア州オックスナード出身のシンガーソングライター / ドラマー / プロデューサー、Anderson .Paak(アンダーソン・パーク)。06/19(Fri)にリリースされたニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

今年4月に劇場公開およびストリーミング配信されたアニメーション映画「Trolls World Tour」(邦題:トロールズ ミュージック☆パワー)のサウンドトラックとして書き下ろされた、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)とのコラボ楽曲「Don’t Slack」に次ぐ新曲となった、本ニュー・シングル「Lockdown」。新型コロナウィルス感染拡大によるロックダウンが続くなか、05/25(Mon)に米ミネソタ州ミネアポリスで発生したジョージ・フロイド氏の暴行死事件を発端として、抗議運動「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター / 黒人の命を軽んじるな )」が国際的に再燃。システム化された人種主義へのプロテスト・ソングとして、先述した、黒人奴隷解放記念日(ジューンティーンス)にリリースされました。

リリックでは、現在も色濃く残る、黒人奴隷制度にまつわる負の連鎖を断ち切りたいのに、デモ隊に対して催涙弾やゴム弾を使って抵抗する警察や、大部分を占める平和的抗議活動よりも略奪や暴動行為ばかりを取り上げるメディアに加えて、全米でパンデミックが広がってから失業者が4000万人を超えていることなど、黒人の命がペーパータオルのように軽んじられている現状を主張。さらに、MV1:26からドロップされる、Jay Rock(ジェイ・ロック)のバース(楽曲未収録)では、繰り返される黒人への暴行から目を逸らすことができないこと、企業は理解するフリをしていること、革命の準備ができていること、などを内省的にラップしています。

また、リリース前日に公開された2枚のアートワークについて、1枚目には、Anderson .Paak(アンダーソン・パーク)がマスクを装着し「THE PEOPLE ARE RISING」と書かれたプラカードを持つ姿が写し出されており、ジョージ・フロイド氏、レイシャード・ブルックス氏、ブリオナ・テイラー氏、アマード・アーベリー氏など、警官の不当な暴力行為によって殺害された、多くのアフリカ系アメリカ人の名前が記載。2枚目には、Syd(シド)、Jay Rock(ジェイ・ロック)、Andra Day(アンドラ・デイ)、Dominic Fike(ドミニク・ファイク)、SiR(サー)、Dumbfoundead(ダムファウンデッド)など、MVにカメオ出演した仲間たちが、スペシャル・サンクスとしてまとめられています。未聴のリスナーはあわせて注目を。



Rin音, 空音, クボタカイ, Shun Maruno / Summer Film’s

福岡県宗像市出身のラッパー、Rin音。06/10(Wed)にリリースされた注目の1stアルバム『swipe sheep』の収録曲が、チャートにランクインされました。

父親からの影響で小学生のころから、RIP SLYME、AIRなどを愛聴し、YouTubeで見ていたラップバトル動画や「フリースタイルダンジョン」をきっかけに、高校3年生からラップを始めたという、Rin音。独学でラップスキルを磨いていき、福岡周辺で開催されていたMCバトルイベント「天神U20MC battle」「チュリトリスワールド」で優勝を果たしたことや「戦極MCBATTLE」への出場を通じて、シーンから注目を集めることに。福岡を拠点に活動しているトラックメイカー・Shun Marunoとの楽曲制作や、福岡近郊および他県でのライブ出演なども増えていくなか、2019年にプロデューサー・maeshima soshiがリリースしたシングル「36.5°C」にフィーチャーされました。

今年1月に、クボタカイ、空音、uyuni、などを招いた1st EP『film drip』をCDリリースしたのち、2月に発表したシングル「snow jam」が、TikTokで大きな話題となり、Spotify国内バイラルチャート1位に加えて、YouTube総再生回数600万回以上(06/21時点)を記録したことで、一気に存在が知られることに。その後、ニューリー、4s4ki、maeshima soshiなどの新作に一部参加するなど、1998年生まれの新世代ラッパーとして大きな注目を集めています。

本アルバム『swipe sheep』には、前述したシングル「snow jam」や、リード・シングル「Cherry Blossom」「earth meal」などに加えて、7インチ・アナログでも発表されている「sleepy wonder」「SNSを愛してる」、ライブで披露していた「Sweet Melon」などを含む、全13曲が収録。ゲストには、クボタカイ、空音、ICARUS、asmiをフィーチャーし、プロデューサーとして、Shun Maruno、maeshima soshi、RhymeTube、ニューリー、Pri2m、T.K Henry、Taro Ishida、などが参加しています。インタビューによれば、これまでの楽曲のモチーフとしていた「インターネット」「睡眠」を、アルバム・タイトル『swipe sheep』として反映させ、日本の四季に沿った自身の環境や感情などをコンセプトに制作した模様です。

そして、06/19(Fri)に放送されたテレビ朝日「ミュージックステーション」へ初出演(地上波初登場)し、代表曲「snow jam」を披露したことも大きな話題に。今後さらなる注目が集まります。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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