【トップ100・チャート】今週のピックアップ(06/28付)、Beyoncé / South Penguin / Khruangbin / 空音

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Beyoncé / BLACK PARADE

米テキサス州ヒューストン出身のシンガーソングライター / プロデューサー、Beyoncé(ビヨンセ)。06/19(Fri)にサプライズ・リリースされた話題のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

システム化された人種主義への抗議運動「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター / 黒人の命を軽んじるな )」(以下、BLM)が、世界各地で歴史的な拡がりを見せている昨今、黒人奴隷解放記念日(ジューンティーンス)にあわせてリリースされた、本ニュー・シングル「BLACK PARADE」。リリックではさまざまなモチーフを引用し、インスタグラムを通じて「私たちの美しさ、強さ、力を忘れないでください」「”Black Parade”は、あなた、あなたの声、あなたの喜びを祝福します」(一部抜粋)とコメントしているように、黒人であることのルーツやアイデンティティをレペゼンしながら、黒人女性全体をエンパワーメントする内容が書かれています。

彼女のファンベースである「Beyhive」に語りかけるように、彼女自身の歴史(ヒストリー)が黒人女性たちにとっての物語(ストーリー)となっていること、母なる大地(アフリカ)や先祖から多くの恵みを授かっていることのプライドなどをラップしつつ、BLMのデモ行進を想起するかのように「私のパレードについてきて」と、人びとに連帯を呼びかけています。

またリリースに際して、本ニュー・シングル「BLACK PARADE」の楽曲収益は、彼女主宰の慈善団体「BeyGOOD」が設立したファンドを経由して、アフリカ系アメリカ人が経営する中小企業へのサポートにあてられることも発表。彼女のインスタグラム・アカウントに掲載されているリンク先には、アート、化粧品、ファッション、ライフスタイル、飲食店などを含む、多岐にわたる業種の中小企業がキュレーションされており、アフリカ系アメリカ人に向けた経済的支援、人権保障などを行なっている公民権団体「ナショナル・アーバン・リーグ」がファンド管理しているとのことです。

なお先日リリースされた、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)とのリミックス・シングル「Savage (Remix) [feat. Beyoncé]」では、地元・ヒューストンで新型コロナウィルスに関連した救済活動に携わる非営利団体「Bread of Life, Inc.」へのサポートに、楽曲収益を寄付することも発表していました。

そして、06/08(Mon)にはYouTube主催のオンライン卒業式「Dear Class of 2020」に出席し、全世界の卒業生に向けて、約10分間のスピーチを披露。長年続く人種差別、エンターテイメント業界での男女格差に触れつつ、彼女自身の成功および失敗体験を織り交ぜながら、卒業生たちに激励のメッセージを送っています。あわせて注目を。



South Penguin, NTsKi / bubbles

東京を拠点に活動しているバンド、South Penguin。06/17(Wed)にリリースされた注目のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

2014年当初に4人組バンドとして結成され、オリジナル・メンバーであるアカツカ(Gt,Vo)を中心に、サポート・メンバーを迎えながら活動している、South Penguin。2016年に1st EP『alaska』をリリースすると「FUJI ROCK FESTIVAL’16」(ROOKIE A GO-GO)出演を機に、ライブ活動を本格化。2017年に台湾で行なった初海外公演から現1人体制となると、その後、2nd EP『house』をリリース。2018年には、中国を代表する野外フェス「Taihu Midi Festival」を含む中国ツアーを、2019年には、台湾最大級の野外フェス「覺醒音樂祭 WAKE UP FESTIVAL 2019」を含む台湾ツアーをそれぞれ敢行。同年には、各方面から高評価を集めた1stアルバム『Y』をリリースし、Dos Monos、No Buses、篠田ミル(yahyel)を招いたリリース・パーティーを開催するなど、さまざまな活動が続いていました。

そんななか、バンド初の7インチ・アナログとしてリリースされた、本ニュー・シングル「bubbles / mad love」。ゲストには、京都出身のシンガーソングライター / プロデューサー・NTsKiをフィーチャーしており、サポート・メンバーには、前作『Y』に参加していた、額賀涼太(Ba)、ニカホヨシオ(Key / LADBREAKS)、宮田泰輔(Gt / メロウ・イエロー・バナナムーン)、礒部拓見(Dr / メロウ・イエロー・バナナムーン)、宮坂遼太郎(Per / 超常現象、折坂悠太(合奏))に加えて、奥住大輔(Sax)が新たに参加。レコーディング / ミックスは、岡田拓郎葛西敏彦(studio ATLIO)、マスタリングは、PADOKがそれぞれ担当しており、ジャケット・アートワークはバンドにとってお馴染みのイラストレーター・マチダヒロチカが手がけています。

また先日から、稲葉航大(Ba / Helsinki Lambda Club)がサポート・メンバーとして新加入しており、真栄田俊介が撮影した新しいアーティスト写真も公開。さらに、SNSを通じて川谷絵音がバンドを絶賛していることも話題になっており、未聴のリスナーはぜひチェックを。



Khruangbin / Pelota

米テキサス州ヒューストン出身のバンド、Khruangbin(クルアンビン)。06/26(Fri)にリリースされた待望のニュー・アルバム『Mordechai』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2018年にリリースされた2ndアルバム『Con Todo El Mundo』以来となる、およそ2年5ヶ月ぶりの新作に。世界各地で年間150公演ほどライブを行なうなか、2019年には、フィジカル未収録曲やカバー曲をコンパイルした日本独自の企画盤『全てが君に微笑む』に加えて、2ndアルバムのダブ・バージョンとなる企画盤『Hasta El Cielo』をリリース。さらに、初来日でソールドアウトを果たした東阪ツアーおよび「FUJI ROCK FESTIVAL’19」(FIELD OF HEAVEN)最終日でのトリ出演など、日本でも高い人気を集めています。

今年に入ると、同じくテキサス州出身のシンガーソングライター・Leon Bridges(リオン・ブリッジズ)とのコラボ・EP『Texas Sun』をリリースし、約10年越しのデビュー・アルバムとして広く話題となった、Jay Electronica(ジェイ・エレクトロニカ)『A Written Testimony』で、自身の楽曲「A Hymn」がサンプリングされるなど、ひきつづき多くの注目を集めています(なお、プロデュースを務めたJay-Zはバンドの全レコードを所有している模様)。

本ニュー・アルバム『Mordechai』ついて、インタビューによれば、多忙なツアー生活が続いて疲労困憊になっていたというベーシスト・Laura Lee(ローラ・リー)が休暇中に経験した、友人・Mordechai(モルデカイ)の家族と過ごしたテキサスでのハイキングから、インスピレーションを受けているとのこと。あっという間に人生が過ぎることにナーバスを感じていたなか、友人からのアドバイスや、ハイキングで行なった滝へのダイビングを経て「旅は人生であり、目的地は死である」という悟りを経験。自身を救ってくれた友人へのリスペクトをアルバム・タイトルに込めているほか、彼女が日記に残したという100ページ分のアイディアは、収録曲の一部モチーフとして生かされているようです。

そして、リード・シングルとして公開されていた「Time (You and I)」「So We Won’t Forget」「Pelota」は、それぞれMVとしても現在公開中。未聴のリスナーはあわせてぜひチェックを。



空音 / Fight me feat. yonkey

2001年生まれで兵庫県尼崎市出身のラッパー、空音。06/24(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『19FACT』の収録曲が、チャートにランクインされました。

小学2年生から始めたダンスや、音楽好きの両親からの影響で、学生時代から国内外のさまざまな音楽を愛聴していたという、空音。その後、中学生のころからブームとなっていた「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」や、唾奇×Sweet William『Jasmine』との出会い、作曲意欲の高まり、地元でサイファーを続けていたことなどから、高校時代からフリースタイル・ラップに没入することに。2018年に開催された「BAZOOKA!!! 第14回高校生RAP選手権」出演を経て、アーティスト活動を本格化させていくと、YouTubeに公開したシングル「planet tree」が、早くも話題に。

高校卒業後、2019年7月に1st EP『Mr.mind』をリリースしたほか、クリープハイプ「愛す」、ゴスペラーズ「ひとり」のリミックスを手がけ、BASI、EAGLEYE、SHIBUYAMELTDOWN、などのアルバムに一部参加。同年12月に発表した1stアルバム『Fantasy club』では、収録曲「Hug feat. kojikoji (Album ver.)」のMV総再生回数660万回以上(06/28時点)を記録し、今年2月に行なったリリース・ツアーは全公演ソールド・アウトを記録するなど、すでに多方面から大きな注目を集めています。

本ニュー・アルバム『19FACT』のゲストに、SUSHIBOYS、kojikoji、NeVGrN、yonkeyをフィーチャーしているほか、Shun Maruno、RhymeTube、jaff、春野などをプロデューサーとして招致。インタビューによれば、先述したリリース・ツアー後からアルバムのレコーディングを始め、リリックには、19歳のパーソナルな心境変化を綴ったとのこと。「誰も傷つけたくない」というマインドのもと、これまでと同様にポジティブなメッセージを込めつつ、音楽活動を続けるなかでの葛藤、新たな自分にアップデートしていくこと、家族へのメッセージなど、これまで以上にリアルな気持ちが書かれています。

そして現在、収録曲「You GARI feat. SUSHIBOYS」「Girl feat. kojikoji」のMVが公開中。あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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