【トップ100・チャート】今週のピックアップ(08/23付)、Pharrell Williams, JAY-Z / Awich / Glass Animals / maco marets

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Pharrell Williams / Entrepreneur – feat. JAY-Z

ポップ・カルチャーのアイコンとしても広く知られているプロデューサー / ファッション・デザイナー、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)。08/21(Fri)にリリースされたニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)が、米誌「TIME」でキュレーションを務めた特集企画「The New American Revolution」(黒人の抑圧的な過去と公平な未来を綴ったコラム、アンジェラ・デイヴィス、大坂なおみ、などへのインタビューが多数掲載)の一環で制作された、本ニュー・シングル「Entrepreneur」。起業家を意味する「Entrepreneur」(アントレプレナー)というタイトルの背景ついて「そもそも私たちの国で起業家になることが、いかにタフなことか」「特に有色人種の人間にとって制度的に不利な点、意図的な障壁が多くあり、医療、教育、固定観念などで不利な状況のなか、どのようにしてスタートさせればいいのか」とコメントしており、コミュニティの結集と経済的エンパワーメントを込めた楽曲としてリリースされました。

クレジットには、The Neptunes(ザ・ネプチューンズ)のメンバー・Chad Hugo(チャド・ヒューゴ)とタッグを組み、2018年にリリースされたアルバム、THE CARTERS(ザ・カーターズ)『EVERYTHING IS LOVE』の収録曲「NICE」でのコラボ以来となる、JAY-Z(ジェイ・Z)をフィーチャー。LAを拠点に活動している映像作家・Calmatic(カルマティック)がディレクションしたMVには、世界各国で活動している黒人起業家、コミュニティ・リーダーを紹介しており、日本初となった黒人経営のアニメ・スタジオ「D’ART Shtajio」、麻布十番にあるアメリカン南部ソールフードレストラン「ソウルフードハウス」など、日本で活動する黒人企業もピックアップされています。

さらにMVには、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)のソロ・アルバム『In My Mind』に多大な影響を受けたことでも知られる、Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)の姿に加えて、ローカル・シーンを支えた起業家としても知られるラッパー・Nipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)への追悼も挿入されています。あわせてぜひチェックを。



Awich / Bad Bad

沖縄県那覇市出身のラッパー、Awich。08/21(Fri)にリリースされたニュー・EP『Partition』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、今年1月にリリースされた3rdアルバム『孔雀』に次ぐ新作に。その後、ブラジル出身のラッパー・KRAWKのリミックス・シングル「Calma Bro (Remix)」でフィーチャーされたほか、ポーランド出身のラッパー・Tymek(ティメック)とのコラボ・シングル「Aligator」を発表。さらに、ヒップホップ・クルー〈YENTOWN〉を率いるラッパー・JNKMNのアルバム『JNKMN NOW』に加えて、ANARCHY「Promise」、NENE(ゆるふわギャング)のソロ・EP『夢太郎』にも参加するなど、国内外で多くのコラボを展開。

またコロナ禍において〈88rising〉所属のラッパー・Rich Brian(リッチ・ブライアン)から始まったビートジャック企画「TOKYO DRIFT FREESTYLE」の一環で、パフォーマンスを披露。世界各地で広がっているムーブメント「Black Lives Matter」(ブラック・ライヴズ・マター)について、IGTV渋谷駅前でメッセージを発信し、楽曲「Awake」を発表するなど、さまざまな活動が続いていました。

先日アナウンスされた通り、ユニバーサルミュージックからのメジャー・デビュー作となった、本ニュー・EP『Partition』。先述した楽曲「Awake」に、リード・シングル「Shook Shook」「Bad Bad」など自らソングライティングを手がけた全7曲が収録されており、これまでと同様、Chaki Zuluがトータル・プロデュースを務めています。タイトル『Partition』について、Apple Musicで公開されているインタビューで「私は、世の中の全てはつながっていて“全てはOne”と思っている。最初はそんなタイトルにしようと思っていたんですが、今はコロナウイルスで人々が分裂していたり、これまで以上にBlack Lives Matterのムーブメントが起こったりして、みんなが指さし合い、人間や人種が分断されている状況。元々はみんな一緒であるはずなのに、今やそうとは思えない世界になっている。そこへの皮肉も込めて、このタイトルにしました」(一部抜粋)と明かしています。

そして先日、米シカゴに拠点を置くオンライン・マガジン「Consequence of Sound」にて、今後ブレイクが期待される新進気鋭のアーティストをピックアップする月間アワード「Artist of the Month」(8月度)に選出。沖縄での生い立ち、ヒップホップとの出会い、夫との別れなど、表現活動のルーツに迫ったインタビュー記事が公開されており、あわせてぜひチェックを。



Glass Animals / Heat Waves

英オックスフォード出身の4人組エレクトロニック・バンド、Glass Animals(グラス・アニマルズ)。08/07(Fri)にリリースされたニュー・アルバム『Dreamland』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2016年にリリースされた2ndアルバム『How to Be a Human Being』以来となる、およそ4年ぶりの新作に。2018年7月のツアー中に、バンドメンバー・Joe Seaward(ジョー・シーワード)が不慮の交通事故に巻き込まれ、生死をさまよう大怪我を負ったことで、バンド活動が一時期ストップすることに(現在は回復済み)。その間、フロントマン・Dave Bayley(デイヴ・ベイリー)は、6LACK(ブラック)、Flume(フルーム)、DJ Dahi(DJ・ダヒ)など多くのアーティストに楽曲提供を続ける一方で、これまで長く避けてきたというパーソナルで自伝的なリリックを書き始めることに。バンドメンバー全員そろった状態で、2019年ごろからロンドンにてレコーディングが行われ、今年7月にアルバム・リリースをアナウンスしていたなか「Black Lives Matter」(ブラック・ライヴズ・マター)が再燃。ムーブメントの影響を考慮し、公開延期したのちにリリースされました。

本ニュー・アルバム『Dreamland』について、セルフ・プロデュースを務めたフロントマン・Dave Bayley(デイヴ・ベイリー)によれば「人生のノスタルジックな回顧録」とコメントしており、先述したバンドメンバー・Joe Seaward(ジョー・シーワード)が交通事故に遭ったときに抱いた恐怖感も含めて、テキサスで育った幼少期の記憶から現在に至るまでの人生を探究した歌詞が展開。「良いこと、悪いこと、恐ろしいこと、面白いこと、混乱したこと、自己嫌悪、他人が嫌いだったこと、初恋、セクシュアリティの発見、悲しみ、捨てられたこと、メンタルヘルスなど、いまの自分を作っているその瞬間や時間を振り返って絵に描いているだけなのです」(一部抜粋)と明かしています。

収録曲には、Denzel Curry(デンゼル・カリー)をフィーチャーした「Tokyo Drifting」を筆頭に、リード・シングル「Your Love (Déjà Vu)」「Dreamland」「Heat Waves」「It’s All So Incredibly Loud」などを含む全16曲をコンパイル。アプリで3Dスキャンされたファンの顔が登場する、3Dアーティスト / モーションデザイナー・Marco Mori(マルコ・モリ)が制作した「Tangerine」のMVも公開されており、あわせてぜひチェックを。



maco marets / Forest Song

福岡県出身、現在は東京を拠点に活動しているラッパー・maco marets。08/10(Mon)にリリースされたニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年末に自主レーベル〈Woodlands Circles〉を通じてリリースした3rdアルバム『Circles』に次ぐ、およそ8ヶ月ぶりの新作に。今年に入って公開された、Shin Sakiura「Slide」、BUGS(週末CITY PLAY BOYZ)「FUCK MY LIFE」、Maika Loubté「Niet II」、maeshima soshi「Nicole」などの楽曲に参加したほか、NHK Eテレで放送されているドキュメンタリー番組『Zの選択』のテーマソングとして、新曲「Howl」がオンエア。加えて、2016年のデビューから2020年の春までの活動を記録したスペシャル・マガジン「TREEZ MAG.」も発表されました。

さらに自身のソロ活動と並行して、TOSHIKI HAYASHI(%C)やさまざまなアーティストが参加したフィールグッド・コレクティブ、HOTEL DONUTSを始動。さとうもか、山田大介、pen public、BUGS(週末CITY PLAY BOYZ)などを迎えた1st EP「コンビニエンスボーイ/ インソムニアガール」を発表したのち、レーベル〈origami PRODUCTIONS〉が立ち上げた企画「origami Home Sessions」の一環でリリースされた、関口シンゴの音源をリメイクした楽曲「Distance」に参加するなど、多くのコラボが続いていました。

そんななか山の日(08/10)にリリースされ、今年3月ごろに制作していたという本ニュー・シングル「Forest Song」。プロデューサーは、レーベル〈Pistachio Studio〉に所属し、Mime、PEARL CENTER、などで活躍するコンポーザー / トラックメーカー・TiMTが務め、レコーディング / ミックス / マスタリングは、エンジニア・向啓介が担当。ジャケット・アートワークは、これまでと引き続きデザイナー・Yunosukeが制作しており、リリースと同時に公開されたMVは、フォトグラファー・河澄大吉がディレクションを手がけ、アシスタントとして堀裕貴が参加しています。

そして、2016年に発表されたEP『Waterslide:2』の続編と思われる新作『Waterslide III』を、08/30(Sun)にリリースすることをSNSを通じてアナウンス。多数のゲストが参加した全8曲が収録されている模様であり、さらなる続報が期待されます。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

Link:
TYPICA TOP100
TYPICA TOP100(グローバル)