【トップ100・チャート】今週のピックアップ(09/06付)、SZA / BBHF / Internet Money / LEX

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



SZA / Hit Different

米ミズーリ州セントルイス出身のシンガーソングライター、SZA(シザ)。09/04(Fri)にリリースされた待望のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2017年にリリースされたデビュー・アルバム『Ctrl』以来となる、およそ3年3ヶ月ぶりの新作に。2018年には、マーベル・シネマティック・ユニバースの代表作「ブラックパンサー」の主題歌として、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)とのコラボ・シングル「All The Stars」を発表。映画の歴史的ヒットを受けて、サウンドトラック・アルバム『Black Panther: The Album』の収録曲としても世界的に親しまれていたなか、2019年に完結した、HBO製作の大人気テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のインスパイアード・アルバム『For the Throne: Music Inspired by the HBO Series Game of Thrones』(2019年)にも参加。The Weeknd(ザ・ウィークエンド)、Travis Scott(トラヴィス・スコット)とコラボした収録曲「Power Is Power」が話題となりました。

またこれまでに、Cardi B(カーディ・B)、Post Malone(ポスト・マローン)、DJ Khaled(DJキャレド)、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)などの楽曲にフィーチャリング・ゲストとして参加。合間に、Timbaland(ティンバランド)とのレコーディングや、Sia(シーア)とのコラボ制作が行なわれるなか、2019年に最愛の祖母・Norma(ノーマ)、友人として親しい間柄だったラッパー・Mac Miller(マック・ミラー)との死別を受けて、音楽活動を続けることが困難だった時期を経験。加えて、所属レーベル〈Top Dawg Entertainment〉の代表の1人として知られる、Punch(パンチ)との不和によって新作のリリースが妨げられている旨をツイートしたことから、ツイッター上でハッシュタグ「#FreeSZA」が広まるなど、多くのファンのあいだで新作への期待が高まっていました(その後、レーベルに拘束されているわけではなく判断を信頼しているとして、SZA本人は「#FreeSZA」が不要であると表明)。

そんななかリリースされた本ニュー・シングル「Hit Different」では、The Neptunes(ザ・ネプチューンズ)がプロデュースを務めており、Ty Dolla $ign(タイ・ダラー・サイン)、Rob Bisel(ロブ・バイセル)と共同作曲したシルキーなサウンドが展開。先日公開された、Zane Lowe(ゼイン・ロウ)とのインタビューによれば、今年2月にフロリダ州マイアミで開催された「Super Bowl LIV」(第54回スーパーボウル)の週末に、DJ Khaled(DJキャレド)のハウススタジオでレコーディングしたとのこと。続けて、今回の新曲について「わたしには手放せないものがたくさんあるから、みんなをいい気分にさせる何かを届けたいと思っていた」ことに加えて、「長い間、何もドロップしていなかったから、ママと一緒に泣いていた。何かドロップしても大丈夫なくらい強くなっていても、2週間が過ぎたら結局元どおりになっていた」と、ニュー・シングルのリリースに躊躇していたことも明かしていました。

そしてリリース当日から、自らキャリア初の映像監督を務めたMVも公開。MV後半には、Jacob Collier(ジェイコブ・コリアー)と共同制作したと思われる未発表曲のスニペットが挿入されており、今後のリリースにも引き続き注目が集まります。



BBHF / とけない魔法

北海道札幌市を拠点に活動している4人組バンド、BBHF。09/02(Wed)にリリースされたニュー・アルバム『BBHF1 -南下する青年- 』の収録曲が、チャートにランクインされました。

前身となるバンド「Galileo Galilei」のオリジナル・メンバー、サポート・メンバーである、尾崎雄貴(Vo, Gt)、尾崎和樹(Dr)、佐孝仁司(Ba)、DAIKI(Gt)で構成され、2018年より活動開始した、BBHF。当初は「Bird Bear Hare and Fish」名義として、同年9月に1stアルバム『Moon Boots』をリリースしたのち、2019年7月より現名義に。現在のレーベル〈Beacon LABEL〉へ移籍し、2枚のEP『Mirror Mirror』『Family』をリリースすると、同年末にかけて全国10カ所を巡るワンマン・ツアー「BBHF ONE MAN TOUR “FAM! FAM! FAM!”」を成功させることに。

コロナ禍の影響で本ニュー・アルバムのリリース延期が決定し、予定していた全国ツアー「mugifumi TOUR」が全てキャンセルとなるなか、本来のアルバム・リリース日であった、05/27(Wed)にあわせてニュー・シングル「かけあがって」を急遽リリース。その後、ツアーファイナルが予定されていた、06/19(Fri)に北海道札幌市のイベントホール「cube garden」から有料配信ライブ『mugifumi ONLINE』を行なうなど、精力的な活動が続いていました。

本ニュー・アルバム『BBHF1 -南下する青年- 』には、リード・シングル「リテイク」「僕らの生活」「君はさせてくれる」を含む全17曲が収録。1曲目「流氷」から17曲目「太陽」にかけて寒暖差が変化していくように、全編を通じて「北から南へ移動する青年の物語」をテーマとしており、小説の形式をイメージした「上」「下」の2部構成で展開。ニュー・アルバム『BBHF1 -南下する青年- 』の制作について、先日公開されたインタビューによると、今年1月からアルバム制作を進めていき、前身バンドの元メンバー・岩井郁人(FOLKS)も共同プロデューサーとして携わりながら、尾崎が拠点とするプライベートスタジオでレコーディングが行われた模様です。

一部ミックスは、LAとロンドンを拠点に活動しているプロデューサー / ミキシング・エンジニア、Mike Crossey(マイク・クロッシー)が、前身バンド時代から引き続き担当。米カリフォルニア州サンディエゴ出身のコラージュ・アーティスト、Andrew McGranahan(アンドリュー・マクグラナハン)がデザインしたジャケット・アートワークには、メンバーと同じく北海道稚内市出身の画家・因藤壽の作品「麦ふみ」(1952年)が使用されています。10/25(Sun)には、本ニュー・アルバム『BBHF1 -南下する青年- 』を完全再現するオンライン・ライブ「BBHF LIVE STREAMING -YOUNG MAN GOES SOUTH-」の開催が決定しており、あわせてぜひチェックを。



Internet Money / Blastoff (feat. Juice Wrld & Trippie Redd)

米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動しているプロデューサー・レーベル / コレクティブ、Internet Money(インターネット・マネー)。08/28(Fri)にリリースされた1stアルバム『B4 The Storm』の収録曲が、チャートにランクインされました。

1992年生まれのプロデューサー・Taz Taylor(タズ・テイラー)、2000年生まれのプロデューサー・Nick Mira(ニック・ミラ)がオンライン上で意気投合したことにより、2016年ごろに共同設立されたという、Internet Money(インターネット・マネー)。YouTubeのタイプビートを通じてさまざまなラッパーにビート販売することでキャリアを開始させていくと、XXXTentacion(XXXテンタシオン)「Fuck Love (feat. Trippie Redd)」、Drake(ドレイク)「Blue Tint」、Lil Baby & Gunna(リル・ベイビー & ガンナ)「Business Is Business」、Juice WRLD(ジュース・ワールド)「Lucid Dreams」、Lil Tecca(リル・テッカ)「Ransom」など、多くのヒット・シングルをプロデュースしたことで、国内外から大きな注目を集めるように(トラック冒頭に流れる「INTERNET MONEY B*TCH!」というネームタグでお馴染み)。

現在、Internet Money(インターネット・マネー)には、プロデューサー、アーティストを含めて約40人ほど在籍しているとのことで、先述した、米カリフォルニア州ロサンゼルスの新居兼レコーディングスタジオでの共同生活を拠点としている模様。オフィシャルサイトを通じて、ドラムキット、サンプル、メロディーを販売しているほか、2019年にはヒップホップ・レーベル〈10K Projects〉ならびに、ディストリビューター〈Caroline Records〉と契約を結び、新進気鋭のアーティスト、プロデューサーをサポートするなど、さまざまな展開を見せています。

そんななかリリースされた1stアルバム『B4 The Storm』には、リード・シングル「Lemonade」「Somebody」を含む全17曲が収録。Internet Money(インターネット・マネー)に所属する多くのプロデューサーが手がけたトラックを通じて、Juice WRLD(ジュース・ワールド)、Lil Tecca(リル・テッカ)、Trippie Redd(トリッピー・レッド)、The Kid LAROI(ザ・キッド・ラロイ)を始めとするレーベル・メイトたちに加えて、Future(フューチャー)、Gunna(ガンナ)、Nav(ナヴ)、Swae Lee(スウェイ・リー)、 A Boogie wit da Hoodie(エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)、Don Toliver(ドン・トリヴァー)、Lil Mosey(リル・モジー)など、錚々たるラッパーたちがフィーチャーされています。

先日公開されたインタビューによれば、多くの収録曲がフィーチャリングしたアーティストからお蔵入りとされてきた楽曲とのこと。先述した契約の時点から本ニュー・アルバムの制作準備を進めていたものの、Juice WRLD(ジュース・ワールド)の逝去やビジネス上の問題から制作スケジュールが止まってしまう事態に見舞われ、レコード会社からのゴーサイン待ちにフラストレーションが溜まっていたなか、今年5月の1ヶ月間で全く新しいアルバムとして完成させた模様。コンピレーション・アルバムではなく、DJ Khaled(DJキャレド)、Metro Boomin(メトロ・ブーミン)などのアルバムと同じく、あくまで1人のアーティストとしてのアルバムであることを語っています。未聴のリスナーはぜひチェックを。



LEX / Romeo & Juliet

2002年生まれ湘南出身のラッパー、LEX。08/26(Wed)にリリースされた注目のニュー・アルバム『LiFE』の収録曲が、チャートにランクインされました。

オリジナル・アルバムとしては、2019年12月にリリースされた2ndアルバム『!!!』に次ぐ、およそ9ヶ月ぶりの新作に。本格的に楽曲制作を始めたという15歳のころからハイペースなリリースが続いていることでも知られ、今年1月にEP『COLOR』を公開後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で初の国内ツアー『STAR TOUR 2020』が開催延期・中止となるなか、今年4月にニュー・EP『NEXT』を発表。外出制限期間中には、Rich Brian(リッチ・ブライアン)発のビートジャック企画「TOKYO DRIFT FREESTYLE」に参加したほか、05/01(Fri)に行なった配信ライブ「Live From The Room」も話題に。

また今年リリースされた、JP THE WAVY、kZm、DJ CHARI & DJ TATSUKI、MIYACHI、HEZRON、Only U、などの楽曲に客演参加。07/18(Sat)に、JP THE WAVYが行なったオンラインライブ『LIFE IS WAVY VIRTUAL SPACE TOURS』にもゲスト出演するなど、さまざまな活動が続いていました。

本ニュー・アルバム『LiFE』には、リード・シングル「Welcome 2 The Party」「NiPPON」「Sexy!」を含む全17曲が収録されており、HEZRON、Only U、SOG、に加えて、Leon Fanourakis、SANTAWORLDVIEW、JP THE WAVY、OZworld、MIYACHI、C.O.S.A.、ACE COOL、Fuji Taito、Young Coco、Young Dalu、ASA Wu、などをフィーチャー。本ニュー・アルバムの制作について、先日ゲスト出演した、block.fm「INSIDE OUT」(08/31放送回)でのコメントによれば、前作『NEXT』リリース当時の外出制限期間中から、すでに開始していたとのこと。先述したツアー中止を受けて自分と向き合う時間が増えるなかで、これまでに経験した喜怒哀楽すべての感情を表現しようとしたことから、アルバム・タイトル『LiFE』となったことを明かしていました。

ボーカル・ミックスおよびマスタリングは、ビートメイカー / プロデューサー・KMが前作『NEXT』から引き続き担当しており、ジャケット・アートワークは、スイス出身のイラストレーター・Dexter Maurer(デクスター・マウラー)が制作。アルバム・リリース当日から収録曲「Romeo & Juliet」のMVも公開されており、あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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